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セブンに公取委が排除命令(3) [ビジネスモデル]

一昨日昨日,セブンイレブンに対して行われた,値引き販売に関する公取委からの排除命令について思うところを書いてきましたが,その最後です。繰り返しますが,世の中が比較的コンビニ批判の論調になっているので,「あえて」コンビニを擁護する立場で書いています。

コンビニのコンセプトと,その中で果たすべきオーナーの役割を考えたとき,今回の公取委からの命令はコンビニという業態・産業そのものの存在を危うくしてしまうほどのインパクトがあることを書きました。

今回の騒動をめぐり,あと2つほど指摘をさせていただきたいと思います。

1つは廃棄ロスの発生メカニズムについて,あまり指摘されていない点です。お弁当などの廃棄がでてしまうのは,欠品による売れ逃しを恐れるあまり過剰仕入をしてしまうことが指摘されています。その責任が本部と店舗のどちらにあるのか,これはこれまでに書いたようにフランチャイズという店舗運営のしくみと,それにともなう店舗オーナーの責任に触れずに,一方的に本部が悪いかのような論調はいかがなものかと思います。

ただそれに加えて,私たち消費者の購買行動が廃棄ロスの増加や過剰仕入を招いている面もあることを忘れてはいけません。

例えば棚にお弁当が1つだけ残っている場合と,お弁当が3つ残っている場合は後者の方がより売れるケースが多いそうです(賞味期限は同じです)。残り福などという言葉もありますが,実際のところ多くの人たちはあと1つを「売れ残り」と考え,「売れ残り」=鮮度が悪いと考える傾向があるからです(人気の高い商品は別です)。

この消費者心理に対処しようとすると,適正在庫以上に早めの商品補充をしなくてはいけません。先の例に置き換えると,在庫が1になった時点で次の発注をかければ間に合うのかもしれませんが,売れ残り感をなくすためには,常に店頭に3以上ある状態で発注をかけるということです。そうしないと売れないからです。

しかしこの購買行動は,さらなる問題を引き起こします。店頭に同一ながら,2つの賞味期限の商品が並ぶわけです。両方とも賞味期限内ですが,この場合みなさんはどちらを買うでしょう。消費者の多くは日付の新しいものを好んで買います。この購買行動パターンによって,古い商品は廃棄ロスへ向かってまっしぐらです。

良い悪いという価値判断はとりあえず横に置くとして,コンビニはこのような消費者の購買行動にある意味「上手に」対応してきたわけです。この問題を考慮せず,ただ値下げや仕入量の減少で対応しようとすると,昨日お話ししたように価格と利益率の低下という悪循環に加えて,売上高の低下まで招きかねないのです。

もう1つは,日本人の悪いくせがまた出た点です。

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セブンに公取委が排除命令(2) [ビジネスモデル]

昨日(http://d-mizuno.blog.so-net.ne.jp/2009-06-22)の続きです。どちらかというと,コンビニに対して批判的な記事が多いため,このブログでは「あえて」コンビニ寄りと思われる論調でコメントしたいと思っています。世の中,一つの方向で固まるのはよくないですから。

各紙ともこの問題を大きく取り上げていますが,産経新聞の記述が比較的よくまとまっているように思います。
【産経新聞 セブンへの排除命令、コンビニ経営に打撃 事業モデル転換迫る】
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090622/biz0906222210020-n1.htm

さて今回の公取委からの命令が,コンビニエンスストア業界に及ぼすであろう第2の影響は,各店舗の経営が悪化してしまう恐れがあることです。

いくつかの記事の中に,オーナーもしくは元オーナーの「本部から大量の商品を購入するように“圧力”があり,それが廃棄ロスを増やした」というような言葉が使われていました。厳密にいうとこれはおかしな話です。

昨日説明したように,コンビニエンスストアはフランチャイズ方式を主に採用しているため,本部とオーナーの関係は対等です。もちろん現実的に対等ということはありえませんが,少なくとも各コンビニにのオーナーは一国一城の主であり,その店の経営権はその人にあります。

当然ですが,商品の発注量を決めるのは最終的にはオーナーです。セブンイレブンの場合,本部は世界屈指と言われる情報システムや,フィールドカウンセラーと呼ばれる店舗指導員の推奨など,サポートするだけで,どの商品を,どれだけ発注するのかは店舗のオーナーが決断しているのです。会社で言えば,すべての商品発注は社長の決裁がおりているのです(機械が自動的に発注しているわけではありません)。

つまり,廃棄ロスが出るというのは店舗のオーナーの発注ミスが大きな原因となっているわけです。むろんセブンイレブンの本部は商品の欠品を強く嫌う傾向がありますので,情報システムも店舗指導員も多めの発注を推奨していた可能性は多分にあります。それにしても,経営権のあるオーナーが発注ミスの責任を一方的に本部に押し付けるような発言は,決して納得できるものではありません。

少し話がずれましたが,安易な値引きはこの発注精度をさらに低下させる恐れがあります。発注ミスをしたその店舗は自分の責任なのでよいのですが,周りの店舗に大きな迷惑をかけます。正確な需要予測を立て仕入をしたのに,近隣の別の加盟店が発注ミスから大幅な値引きを始めると,当然ですがまじめに予測をした店舗も引きずられて値引きせざるを得ません。

また今回,多くの人たち(とくに値引き販売を主張するオーナー)が忘れていることがあります。それは同じ商品であるにも関わらず,値引き商品と定価商品が混在するということ。今回話題となっているお弁当ですが,賞味期限切れで半額で処分するとしましょう。しかしそれが機能するのは,瞬間的に在庫をゼロにする場合のみです。いわゆる売り切りです。

ところが現実の場面では,棚に商品が並んでいない状態を作る訳には行きません。例えばお弁当が残り2個になったら,新しいお弁当を8個補充するわけです。このとき,賞味期限が切れそうな2個は半額で,新しいお弁当8個は正価で販売されるわけです。

スーパーもタイムセールスや閉店間際の見切り販売をしますが,これは閉店時間があるから成り立つ手法です。24時間オープンし,商品補充を次々に行うコンビニでは基本的になじみません。お客さんは値引き商品を求めた買い物をし,結果的に利益率の高いお弁当や総菜から利益を得ることができなくなる可能性があります。

消費者にとって値引き競争はありがたいように思うかもしれませんが,価格設定で一番大切なことはその価格が「適正」であること。安売りのスーパーが開いている時間帯でも,わざわざコンビニで定価のポテトチップスを買う人がいるのはなぜでしょう。それはその人にとってその価格が「適正」だから。家が近い,ここでしか売っていないジュースと一緒に買えるから,などです。

この適正価格という考え方が破綻すると,デフレや新しいビジネスが生まれてこないなど,社会全体がじつは大きな損害をうけるわけです。

コンビニの強みは,情報システムをうまく使いながら適正な発注を行うこととで,鮮度の高い商品を,高い利益率で販売することでした。この発注精度の不備を指摘するならまだしも,安易に価格競争に走ることは,この強みである発注力を低下させて,お店の利益を圧迫する可能性があるわけです。昨日も言いましたが,スーパーと価格で競争してもコンビニは勝てないのです。いやスーパーを競合とした時点で,コンビニの役割は終わっているのかもしれません。

明日に続く


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  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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セブン‐イレブンの経営史―日本型情報企業への挑戦

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セブン-イレブンおでん部会―ヒット商品開発の裏側 (朝日新書 34)

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セブンに公取委が排除命令(1) [ビジネスモデル]

このブログでも何度か取り上げてきたコンビニエンスストアの値引き制限問題。予想はされていましたが,ついに正式に公取委から排除命令が出ました。

【産経新聞: セブンに公取委が排除命令 値引き制限を「不当」と認定】
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090622/biz0906221553005-n1.htm

これはコンビニ業界にとって大きな変化を促す,重大な意味を持っていると考えます。

確かに多くのコンビニエンスストアはフランチャイズ契約です。つまり同じ看板を掲げていても,各店舗は資本的には独立した存在です。ですから直営店であるジャスコやダイエーのように,すべての店舗で価格を本部が統制することは許されないのが原則です。

ただその一方で,全国のお店をチェーンストアとして効率的に機能させ,規模の経済性を得るためには,ある程度の統制が必要です。そこですべての加盟店は,フランチャイズ契約の遵守が求められます。その狭間で生じたのが,今回の値引き制限問題です。

おそらく今回の命令により,過剰在庫(仕入れすぎた)商品を値引きして販売するお店が増えてくることが予想されますが,これはコンビニ業界全体を揺るがす事態に発展するのではと私は危惧します。極論すれば,コンビニという業態がなくなってしまう引き金にもなるのではとすら思っています。

コンビニが提供している価値は,その名が示す通り「便利さ」です。最初は長時間営業。多くのお店が朝10時から夕方までの営業だった時代に,朝7時から夜11時まで買い物ができるという「便利さ」を売ってきました。それが24時間化によってさらに時間的便利さを加えていきます。

つぎに商品も「便利さ」が売り物でした。お弁当や総菜といったすぐに食べることができる「便利な」商材を多数扱いました。導入された当時は否定的な意見が多かったおにぎりやおでんも,確かに味もそうでしょうが「便利である」ことが大きな価値でした。ビールも主流だった重たい瓶ビールを,不便なケース買いする方法から,軽いアルミ缶ビールを便利な一本単位で販売する方法に変えていった,その先導的な役割を果たしたのもコンビニです。

その後もコピー,情報端末,ATMなどなど。とにかく便利さをキーコンセプトとして,コンビニエンスストアは成長を続けてきました。その店舗数の多さも手伝って,現在では社会的インフラの一部として活用されるようになってきています(もちろんその弊害として,以前も取り上げた治安悪化の一因ともいわれますが)

その便利さを支えてきたのが,いわゆる定価販売であったことは間違いありません。日本人はサービスに対してお金を払うという意識がまだまだ高くありませんが,ATMの時間外定数料をみてもわかるように,自分のお金を引き出すのであっても,その「便利さ」にはお金が必要となります。最近は口座を維持するのにも手数料がかかる場合があります。ちょっと納得いかない気もしますが,やはり家においておくより安心ですし,いつでもお金を引き出せる「便利さ」を考えれば支払うべきコストなのかもしれません。

話がずれましたが,先に挙げたコンビニの「便利さ」の手数料とも言えるのが定価販売であったように思います。便利さ(つまり24時間営業であったり,便利な商品を開発することであったり)には,当然コストがかかります。そのコストを吸収するはずの価格が崩れるとなると,コンビニの強みである「便利さ」の強化は難しくなるように思います。

そうなると待っているのが,お決まりの価格競争。それもそれを得意とするスーパーマーケットたちとの戦いです。もともと低コスト競争を前提としていないビジネスモデルであるコンビニが,果たして彼らと互角の戦いができるのでしょうか? これがコンビニ業態が衰退していくのではないかという危惧の,一つの理由です。

明日に続く


なぜ毎日コンビニで買ってしまうのか? (マイコミ新書)

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  • 作者: 漆原 直行
  • 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
  • 発売日: 2008/03/01
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商売で大事なことは全部セブン‐イレブンで学んだ

商売で大事なことは全部セブン‐イレブンで学んだ

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  • 出版社/メーカー: 商業界
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 単行本



セブン‐イレブン覇者の奥義

セブン‐イレブン覇者の奥義

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  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本



鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」—セブン-イレブン式脱常識の仕事術

鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」—セブン-イレブン式脱常識の仕事術

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  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2005/01/21
  • メディア: 単行本



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ネットと雑誌の連動は可能か [ビジネスモデル]

雑誌や新聞が売れていません。その原因の一つとしてあげられているのがネットの存在。わざわざ雑誌や新聞を買わなくても,ネットで事足りてしまうことが業界不況の原因だと言われています。

そのような中,講談社が昨年末に休刊した「月刊現代」の後継雑誌として,ネットとの連動を売りものとした「G2」を創刊させます。

【MSN産経:講談社が月刊誌「G2」創刊へ ネットと連動】
http://sankei.jp.msn.com/culture/books/090617/bks0906171753000-n1.htm

しかし雑誌とネットの「連動」は果たして可能なのでしょうか。私は懐疑的です。先にも述べましたが,ネットでできることは雑誌という紙媒体を使う必要など基本的にないからです。代替ならともかく「連動」させる理由は,少なくともユーザー視点から考えるとありません。メーカー(出版社)の事情です。

それでは雑誌「でしか」提供できない価値と何でしょうか。1つはネットにアクセスできない層への情報提供。これはどんどん減っていくでしょう。次は分析・検証。ネットは速報性に強さを発揮しますが,その提供スタイルは基本的にコンパクトで,短時間で消費される情報が主体となっています。ある事実に対する深い分析や,後日談などの後追い情報などは弱かったりします。他にも情報の検索性や一覧性も,じつはネットより紙媒体の方が優れている部分があったります

「マーケティング近視眼」という非常に有名なマーケティングの論文があります。ハーバード・ビジネススクールのセオドア・レビット教授が40年以上も前に書いた論文ですが,その内容は今でもビジネスの世界に影響を与えています。彼はこの論文の中で,アメリカの鉄道会社がなぜ衰退したかについて,彼らが自分たちを「鉄道サービスを提供する会社」と定義したことに衰退理由があると,分析しています。そして鉄道会社は顧客に対して「鉄道」という製品を提供していたのではなく,「移動すること」を提供していたのであり,鉄道はその手段の1つに過ぎなかっただったのに,彼らはその製品に拘泥し,自動車や飛行機といった移動手段の変化についていこうとしなかったと断じています。


T.レビット マーケティング論

T.レビット マーケティング論

  • 作者: セオドア・レビット
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2007/11/02
  • メディア: 単行本



雑誌や新聞の現状は,まさにレビットが指摘したアメリカの鉄道会社の状況と非常に似ているのではないかと考えます。顧客は自分たちの「何」に対してお金を払ってくれていて,その「何=価値」を提供するための,もっとも的確なツールは何であるのか。果たして紙媒体なのか,それともネットなのか。

そう考えると今回の講談社の事例は,ネットと雑誌の「連動」は,何が何でも「鉄道」という道具を残したがっているだけのように思えてしまいます。
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航空会社は何屋さんになるのでしょう? [ビジネスモデル]

関西空港発着の国際線がどんどん減っています。関西在住のものとしては本当に不便で困るのですが,その流れがまた加速しそうです。

【読売新聞 関空―上海便など、日航が8月から減便】
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20090616ke05.htm

景気の影響もあるでしょうが,航空各社は国内・国際を問わず,次々に路線を廃止または休止してきています。そのうち航空各社はカタログ通販会社になってしまうのでは,と冗談を言いたくなるような勢いです。

その一方で,日本には空港が増えています。先日,静岡空港が開業しましたが,航空会社の方針が上記の如くです。当然のことながら赤字体質が早くも「約束」されているようです。

【読売新聞 静岡空港 赤字体質からどう脱却する】
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090603-OYT1T01160.htm?from=y10

読売新聞の社説には,民間専用の地方空港はこれが最後になるだろうとありますが, それもわかりません。

飛行機を飛ばしてなんぼの航空会社と,飛行機が来てくれてなんぼの空港。現状を見る限り,少なくとも既存のビジネスモデルが機能していないことだけは確かです。

海外の航空ビジネスでは,色々なビジネスモデルが存在しています。まるで大型観光バスに翼がついたような非常に小さな飛行機を,日本に比べると多頻度で運用していたり,大阪ー金沢,東京ー名古屋ぐらいの近距離にも路線を持っていたりします。

日本でも中部国際空港(セントレア)の誕生で存在意義を失った名古屋空港(現名古屋飛行場)が,ビジネスジェットの基地として生き残りを図ろうとするなど,新しい取り組みを始めていますが,全国一律,同じようなビジネスモデルではもう飛行場も,航空会社も立ち行かないことは確かです。需要がないわけではないと思います。知恵と工夫,そして規制緩和を進めればまだまだ市場は開けると思うのですが。




The航空機―最新旅客機のしくみや空港・航空路の不思議がわかる!! (別冊ベストカー)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 三推社
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 大型本



航空産業入門―オープンスカイ政策からマイレージの仕組みまで

航空産業入門―オープンスカイ政策からマイレージの仕組みまで

  • 作者: ANA総合研究所
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本



航空の経済学 (MINERVA TEXT LIBRARY)

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  • 作者: 村上 英樹
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本



新規航空会社 事業成立の研究―日本におけるビジネスモデルと航空政策の革新

新規航空会社 事業成立の研究―日本におけるビジネスモデルと航空政策の革新

  • 作者: 塩谷 さやか
  • 出版社/メーカー: 中央経済社
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本



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Googleでディズニーランド見物 [ビジネスモデル]

何かと物議を醸し出していたGoogleのストリートビュー。プライバシーの侵害だと,各国で批判がでていましたが,なかなか興味深い使い方が提示されました。

【IT media ニュース Google Street Viewでパリのディズニーランドが散歩可能に】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090610-00000036-zdn_n-sci

この使い方をうまく応用していけば,新しいプロモーションに繋がる可能性があります。バーチャルテーマパーク,バーチャルショッピングモールとしても展開できるかもしれません。

1カ所でも悪いところがあると,すべてを否定してしまう傾向が強い日本社会ですが,よい部分をみつけてそれを伸ばしていく。新しいビジネスモデルを考える上で大切な事かもしれません。

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百貨店でPB戦争 [ビジネスモデル]

ある高級寿司店がありました。このお寿司屋さんは日本近海の本マグロをはじめとして品質のよいネタを,確かな技術で握ると評判の店でした。そのため,味もさることながら値段もとびっきりだったそうです。しかしこの品質と技術を求めて,大勢のお金持ちが押しかけ,大盛況でした。しかしこのご時世。このお店でお金を惜しげもなく使ってくれていた人たちの財布は厳しくなり,毎日の客数も減っていきました。

なんとかしなければと考えた親方(店長)は,近所の飲食店を視察しました。すると行列ができているお店がありました。激安のお寿司屋さんです。回転寿司ではありませんが,材料を海外から直接購入したり,人件費をうまく抑えることで低価格を実現したそうです。

よし,これだと親方は考えました。これまでの高級品に加えて,海外からの冷凍マグロなど割安感のあるネタをラインナップ。「企業努力で価格は下げていますが,ネタはいままでどおりです」

さて,この高級店に客足は戻るでしょうか?

この記事の中にある百貨店の取り組みは,まさにこのお話に近いのではないでしょうか。

【J-Castニュース 百貨店で「PB戦争」勃発 3万円台のスーツ、菓子や調味料】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090606-00000000-jct-bus_all

この百貨店の例といい,最近話題になっているコンビニの見切り品の値下げにせよ,流通企業は自分で自分の首を絞め始めているように思えてなりません。

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USBの次世代規格 [ビジネスモデル]

パソコンと周辺機器の接続に,いまやなくてはならないUSB。その次世代標準規格「USB3.0」を搭載した商品が,2010年初頭にも登場するというニュースが少し前に出ていました。

【Nikkei TRENDYnet: 10倍速いUSB3.0! 搭載パソコンは2010年】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090521-00000014-trendy-sci

データの転送速度が,現在の「USB2.0」の約10倍ということですから,ビデオやカメラで撮った動画や画像を素早く転送することができそうです。

いわゆる標準化規格については,業界内での対立関係が浮き彫りになったり,その結果としてユーザーに多大なる迷惑がかかることが少なくないのですが,このUSB規格についてはなんとなくスムーズに事が運んでいるような気がします。

Wikipediaで調べてみると,この規格はもともとインテルなどが仕様が策定されましたが,現在はNPO法人USB Implementers Forum, Inc.による管理がなされているそうです。その主要メンバーの中には,規格問題ではトラブルメーカー(?)になることが多いMicrosoftも入っているとのこと。果たしてどのような運営方法がとられているのか,是非ご存知の方がいらっしゃれば教えて下さい。
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マクドナルド 景気をつかもう商品券 [ビジネスモデル]

ユニクロと並んで,この不景気における勝ち組となっているマクドナルドですが,また“巧み”なマーケティング戦術をしかけています。

麻生内閣が打ち出した12,000円の定額給付金をターゲットしたクーポン券の発売です。

【マクドナルド 景気をつかもう商品券】
http://www.mcd-holdings.co.jp/news/2009/promotion/promo0513.html

定額給付金の12,000円で,マクドナル商品20,000円相当が買えるというものです。一見するとお得感がいっぱいですが,その内容を見てみるとマクドナルドの“巧みさ”が見えてきます。

まずはセットメニュー。やはりポテトしか駄目なのですね。もうすでに世間では知れ渡っていると思いますが,ファストフードでポテトはドル箱商品だと言われています。原価率が低いからです。サラダなど原価の高いと言われているものを選べないあたりが,非常に“巧み”です。

つぎにドリンク類。こちらも人気のあるシェイク類やおそらく原価が高いであろうと思われるカフェラテ系や野菜(フルーツ)ジュース類は外されている一方で,コーヒーが30杯分という大胆な構成です。

このように書くと,マクドナルドの施策を批判しているのではないかと思われるかもしれませんが,むしろ逆です。マクドナルドは自分たちのビジネスモデルの要諦が何であるかをよくわかっていて,常にそれにあった戦術を打ち出している優れた企業だと思っています。

マクドナルドのビジネス・モデルは,典型的な薄利多売。とにかく大量販売によって1個あたりの固定費を下げて利益を出していくことがミソです。この多売を実現させるためのクーポンであり,低価格商品ですし,その大前提である変動費をあげないための施策がポテトやコーヒーを販売の主軸から外さないことです。

ただ値下げに走り,自滅していく企業や小売業が少なくありません。低価格戦略には,それを裏打ちするだけのビジネスモデル戦略と,その戦略に沿った戦術が不可欠なのです。マーケティングには商品・価格・チャネル・プロモーションという4つの個別戦略があると言われていますが,じつは価格戦略はそのなかでもっとも実行が容易ですが,成功させることがもっとも難しいマーケティングの打ち手なのかもしれません。
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破綻が続く出版業界 [ビジネスモデル]

出版・書籍の業界が揺れています。

【産経新聞(Yahoo!) 雄鶏社が自己破産を申請】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090420-00000541-san-ent

手芸関係の書籍を刊行していたので,多くの人にはなじみはないと思いますが(もちろんわたしも),このような専門書系はもちろん,『声に出して読みたい日本語』『間違いだらけのクルマ選び』など,ベストセラーを輩出してきた草思社のような比較的有名な出版社もここ10年間でバタバタと倒れて行っています。

また破綻にまで追い込まれなくても,中央公論社や婦人画報,中経出版のように他社に買収もしくは吸収されることでなんとか継続している企業もあります。

さらに出版不況は出版社だけにとどまらず,取次店や書店にも及んでいます。

この問題は昨今の不況とは関係なく,もはや構造的な問題であると言われています。

【J-CASTニュース 出版業界もはや危険水域 草思社だけでない「倒産予備軍」】
http://www.j-cast.com/2008/01/10015454.html

確かに,世の中が合理化,情報化を進める中,出版関連業界はいかにも前近代的なやり方を続けています。特にビジネスモデル,事業のしくみという観点から考えると,依然としてヒット商品に頼るギャンブル的な手法を続けていることに大きな問題があるように思います。

規模の経済性が重視される製造業の分野でさえ,最近ではマスカスタマイゼーションなど顧客のニーズに細かく対応させているビジネスモデルが研究されています。

マス・カスタマイゼーション革命―リエンジニアリングが目指す革新的経営

マス・カスタマイゼーション革命―リエンジニアリングが目指す革新的経営

  • 作者: ジョー パイン
  • 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
  • 発売日: 1994/02
  • メディア: 単行本



情報を取り扱っている出版業界は,じつは製造業以上に顧客ニーズに細かく対応したビジネスモデルの構築が可能なはずです。ところがこのようなビジネスモデルに不可欠の,インターネットのような重要なツールに一番乗り遅れているのも,出版業界だったりします。これでは厳しい状態になるのもしかたありません。

しかしようやく最近になって,新しい動きも出てきています。取次大手のトーハンが,専門書の「ばら売り」を始めるというニュースです。

【日経新聞 トーハン、ネットで専門書を「切り売り」】
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS1D080A6%2008042009

このようにビジネスモデルを根本から見直さない限り,出版不況は続くのかもしれません。
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