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破綻が続く出版業界 [ビジネスモデル]

出版・書籍の業界が揺れています。

【産経新聞(Yahoo!) 雄鶏社が自己破産を申請】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090420-00000541-san-ent

手芸関係の書籍を刊行していたので,多くの人にはなじみはないと思いますが(もちろんわたしも),このような専門書系はもちろん,『声に出して読みたい日本語』『間違いだらけのクルマ選び』など,ベストセラーを輩出してきた草思社のような比較的有名な出版社もここ10年間でバタバタと倒れて行っています。

また破綻にまで追い込まれなくても,中央公論社や婦人画報,中経出版のように他社に買収もしくは吸収されることでなんとか継続している企業もあります。

さらに出版不況は出版社だけにとどまらず,取次店や書店にも及んでいます。

この問題は昨今の不況とは関係なく,もはや構造的な問題であると言われています。

【J-CASTニュース 出版業界もはや危険水域 草思社だけでない「倒産予備軍」】
http://www.j-cast.com/2008/01/10015454.html

確かに,世の中が合理化,情報化を進める中,出版関連業界はいかにも前近代的なやり方を続けています。特にビジネスモデル,事業のしくみという観点から考えると,依然としてヒット商品に頼るギャンブル的な手法を続けていることに大きな問題があるように思います。

規模の経済性が重視される製造業の分野でさえ,最近ではマスカスタマイゼーションなど顧客のニーズに細かく対応させているビジネスモデルが研究されています。

マス・カスタマイゼーション革命―リエンジニアリングが目指す革新的経営

マス・カスタマイゼーション革命―リエンジニアリングが目指す革新的経営

  • 作者: ジョー パイン
  • 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
  • 発売日: 1994/02
  • メディア: 単行本



情報を取り扱っている出版業界は,じつは製造業以上に顧客ニーズに細かく対応したビジネスモデルの構築が可能なはずです。ところがこのようなビジネスモデルに不可欠の,インターネットのような重要なツールに一番乗り遅れているのも,出版業界だったりします。これでは厳しい状態になるのもしかたありません。

しかしようやく最近になって,新しい動きも出てきています。取次大手のトーハンが,専門書の「ばら売り」を始めるというニュースです。

【日経新聞 トーハン、ネットで専門書を「切り売り」】
http://it.nikkei.co.jp/internet/news/index.aspx?n=AS1D080A6%2008042009

このようにビジネスモデルを根本から見直さない限り,出版不況は続くのかもしれません。
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