外部の血を入れることの大切さ [ビジネスモデル]
地元でずっと養殖業を続けてきた人たちだけでは,おそらくこの「1口オーナー」という制度を,「ツイッター」を使ってはじめようとは思いつかなかったことでしょう。
伝統的な職人技の世界では,外部の血を入れることにしばしば否定的な態度を示します。確かに,閉じられた世界だからこそ磨かれる技術もあるかもしれません。
その一方で,世の中の変化に合わせて自分たちを変化させなくては,伝統も技術も未来へつなげていくことは難しくなります。この小泉さんのおかげで,震災で大きなダメージを受けた塩釜のカキ養殖業も,未来につなげていく一歩を踏み出せたように思います。
新規事業の立ち上げ方 社内リソース調査から事業計画書作成まで [実務入門] (実務入門)
- 作者: 末吉 孝生
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2008/03/06
- メディア: 単行本
なぜ新規事業は成功しないのか―「仮説のマネジメント」の理論と実践
- 作者: 大江 建
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
ビジネスモデル戦略論 (Harvard Business Review Anthology)
- 作者:
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/10/06
- メディア: 単行本
地元にいながら都会に負けない、地方発信型ビジネスモデルの作り方 (アスカビジネス)
- 作者: 上野 真歳
- 出版社/メーカー: 明日香出版社(発行:クロスメディア・パブリッシング)
- 発売日: 2008/04/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
オープンビジネスモデル 知財競争時代のイノベーション (Harvard Business School Press)
- 作者: ヘンリー・チェスブロウ
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2007/11/20
- メディア: ハードカバー
任天堂がWiiの後継機を急ぐワケ [ビジネスモデル]
美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ)
- 作者: 西田 宗千佳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/02/22
- メディア: 単行本
任天堂Wiiのすごい発想―技術競争を捨てて新しい市場開拓に成功
- 作者: 溝上 幸伸
- 出版社/メーカー: ぱる出版
- 発売日: 2008/06
- メディア: 単行本
決断の時が迫る出版社と書店 [ビジネスモデル]
【読売新聞:オンデマンドで製本…アマゾン・ジャパン】
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20110420-OYT8T00160.htm
関連情報:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110420-00000000-sh_mar-sci
顧客の視点に立てば,このようなサービスが大きな魅力であることは言うまでもありません。
とくに学術書の場合,誰もが参考にすべき本でありながら,在庫切れや絶版という例が少なくありません。このサービスが普及すれば,絶版はそれこそ「絶滅」します。
しかし多くの出版社はこれまで,このようなオンデマンドサービスに消極的でした。紙媒体としての書籍にこだわり,一方でその在庫や増刷の負担に耐えきれず,品切れや絶版を繰り返してきました。書籍販売の最大手であるアマゾンのビジネス開始により,出版社にも「そのとき」が迫っています。
加えて書店にも決断の瞬間が迫りつつあります。「百万冊の品揃え」を誇ってみても,規模の面ではアマゾンには絶対に勝てません。このオンデマンドサービスにより,もはや品揃えで勝負することが困難なことが明らかになりました。これからどうやって生き残るのか。書店同士の合従連衡とはまったく次元の違う,新しいビジネスモデルを生み出すのか,それとも転地をはかるのか。ファイナルアンサーの時が迫っています。
※「転地」「事業立地」についてはこちらを⇒
「競争優位」のシステム―事業戦略の静かな革命 (PHP新書)
- 作者: 加護野 忠男
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1999/10
- メディア: 新書
グーグル「ストリートビュー」に違法判決 [ビジネスモデル]
一時期物議を醸していたグーグルのストリートビュー問題。その第二幕とでも呼ぶべきでしょうか。
スイスの裁判所がグーグルのストリートビューを「違法」と判断。掲載するにあたっては顔やナンバープレートにボカシ処理をしないとダメだと命じました。
興味深かったのはこのくだり。
G社「完全なボカシには費用がかかり,結果的に利用者の利益を損ねる」
判決「無料にすることはグーグル社の利益であって,利用者に課金することも不可能ではない」
ネット企業は「利用者の利益」もっと言えば「公共の利益」を掲げますが,裁判所は「それは要するに自分たちが利益を上げるための方便だろう」と断じたようにも思われます。
知らない場所に出かけるとき,このストリートビューは大変重宝します。デンマーク滞在時はこのサービスのおかげで,はじめて訪れる国のホテルも簡単に見つけること(事前に頭にインプットしておくこと)ができました。
ネット社会は「パブリック」や「社会福祉(Social Warefare)」の概念が結構重要になります。ただ今まで一般的に使われている意味合いとは若干違うので,そのあたりのコンセンサスが今後重要になってくるように思います。
ネット社会で今までのような「個人の権利」を主張することはネットの価値を半減させますし,そもそもそれを完全に保護することは無理。だからといって従来の意味での「パブリック」を振りかざすと,大きな損失を受ける人もいる。なかなか難しいけれども,興味深い問題です。
ネット社会の未来像 (神保・宮台激トーク・オン・デマンド (3))
- 作者: 宮台 真司
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
- 作者: 佐々木 俊尚
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04
- メディア: 新書
ネットビジネスの収益源はやっぱり… [ビジネスモデル]
関連記事
http://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20110405-00000001-rbb-sci&s=created_at&o=desc
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000007-famitsu-game
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000041-zdn_n-inet
アメーバとモバゲーが,スマートフォン広告事業に関して提携というニュース。
ライバルのグリーと並んで,ソーシャルゲームサービス業界で飛ぶ鳥を落とす勢いのモバゲー。今後伸びて行くであろうスマートフォン分野での収益源を確保しようという動きかもしれません。
ただソーシャルゲームに限らず,ネット関連ビジネスの収益源はそれが立ち上がった頃から「広告」でした。魅力ある無料コンテンツを武器に集客力を高め,広告媒体としての価値を高める。このビジネスモデルがずっと続いています。今回の提携もこのモデルの範疇です。
授業で学生とネットビジネスについてのアイディアを議論しても,収益性の部分では必ずといってよいほど,この「広告モデル」でなんとかしようとする傾向があります。
これまで主流であったマスメディア,とくにテレビを中心とした広告が通用しにくくなってきた時代に,ピンポイントで狙った顧客にメッセージを届けることができるインターネット広告は魅力的であることは事実。W杯やエコポイント効果で一時的にテレビ広告が盛り返したとはいえ,ネットへのシフトはこれからも続くでしょう。
その一方で,ネットビジネスにも新たな収益源が必要です。広告だけに頼る一本足打法では,いずれ行き詰まることは目に見えています。厳しいことに,ネットの世界では無料が「常識」となってしまっています。基本ビジネスで利益を得ることができないといういびつな構造です。
今後ますます寡占化が進み,この広告モデルで生き残れる企業は限られてくるはず。その一方で,ネット関連ビジネスは,参入も比較的容易なため,今後も新しい企業がたくさん出てくることが予想されます。新しいネットビジネス経営者は,脱広告モデルをいかにして作るか。これが重要なように思います。
日本一やさしいネットの稼ぎ方―ネットで稼ぎ続ける人は何が違うのか
- 作者: 平賀 正彦
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
日本人にはもう売るな!ネットで世界進出する方法 (PHPビジネス新書 70)
- 作者: 菅谷 義博
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2008/09/19
- メディア: 新書
グルーポン1300枚使用停止 店の言い分は? [ビジネスモデル]
関連:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110221-00000540-san-soci
アイディアとしては非常に面白い「インターネットの共同購入」。その先駆けであるグルーポンで問題が頻発しています。今回はたい焼き店が1300枚の使用を停止したというニュースです。
記事を読む限り,お店の言い分は「運転資金不足」のようです。クーポンを多く発行しすぎたために,グルーポン側から入金がある前にお客様がたくさん来てしまい,材料費など運転資金がショートしてしまう可能性が高まったために使用を中止したというものです。
確かに小規模のお店では,黒字であっても短期的な資金不足で仕入れ代金などが決済できずに破綻する,いわゆる「黒字倒産」という現象が少なからず起きています。今回もその可能性があったというものなのですが,しかしこれはちょっと考えればわかったはず。発行枚数と運転資金の見通しが甘かったのであり,これを全面的にグルーポンの責任に帰すのはちょっと違うのでは。
もちろんお店側が主張しているようにクーポンの偽造や,おせち問題のときに指摘されたグルーポンの営業体制の不備もあると思います。ただ経営者はそのようなリスクも含めて,このようなサービス業者を選択すべきであり,その辺りの判断があまりにも甘すぎるのではないでしょうか。
このような問題が頻発する以上,現在の共同購入システムには構造的な欠陥があることは間違いないでしょう。しかし利用者側の甘さについても十分指摘されなければ,このような問題は繰り返されるように思います。
図解入門ビジネス 最新消費者保護と苦情対応がよーくわかる本 (How‐nual Business Guide Book)
- 作者: 打川 和男
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2010/03
- メディア: 単行本
インターネットビジネス業界 最新事情 ~日本のインターネットビジネスがまるごとわかる
- 作者: 佐藤 尚規
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
超売れっ子2ちゃん出身作家が明かすネットでビジネスに成功する方法
- 作者: 三橋 貴明
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2009/12/22
- メディア: 単行本
クレジットカードこれだけ知れば怖くない 爆発する「カード&ネット」のしくみと防犯術 (JBシリーズ)
- 作者: 岩田 昭男
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/10/09
- メディア: 単行本
サッポロとポッカが経営統合 [ビジネスモデル]
清涼飲料事業での巻き返しを図る狙いのようですが,果たしてどうなのでしょう。
規模の経済性を追求するには,依然として小さすぎます。このぐらいでは値引き競争が激しいスーパーへの対応も難しいですし,かといって定価販売の自販機ルートも厳しい。まだいくつか企業を買収しないと王者コカ・コーラや二番手サントリーには追いつけません。
その一方で飲料のような嗜好品は,いわゆるニッチ的なビジネスもありえます。その場合は逆に規模を大きくしてしまうことが足かせになりかねません。特徴的な商品を,高速回転で回していくような小回りの利く経営が求められます。その場合には,この統合は本当にプラスになるのかわかりません。
一時期鳴りを潜めていましたが,又ぞろ規模拡大の経営が首をもたげてきました。なんでもかんてでも大きくなればよいというわけではないと思うのです。かつて常識のように言われていた自動車業界における400万台倶楽部も今はどこへやらです。
製鉄のような新興国での競争力強化というコンテクストの中では規模の経済性は重要。しかしただ海外だ,効率化だということで規模を拡大していくことは,逆にマイナス要素を増やすだけのような気がします。規模が大きくなってもサッポロやポッカの飲料の魅力が急激に増すわけではないですから。
たった一人のビジネスモデル―知られたモノの組み合わせから特許になる発明を創り出す方法
- 作者: 川北 喜十郎
- 出版社/メーカー: 発明協会
- 発売日: 2009/10
- メディア: 単行本
「競争優位」のシステム―事業戦略の静かな革命 (PHP新書)
- 作者: 加護野 忠男
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1999/10
- メディア: 新書
日本企業VS韓国企業 [ビジネスモデル]
「品質」「センス」で優位に立ちながらも,実際には多くの産業で韓国企業の後塵を拝しています。
調査を行った博報堂は「国際競争力で韓国に負けているとのイメージが強いが、まだ日本製品の評価は高い。自信を持って戦うべきだ」というコメントをしていますが,それは大きな間違いだと思います。
神戸大学の加護野教授が10年以上前から指摘しているように,競争の軸は「商品・サービス」から「事業の仕組み」に移ってきているのです。よい製品だから勝てる。そんな時代は終わりを告げつつあるのです。
それだけに「品質」や「センス」で勝っているからまだまだいける,という過信は日本企業の競争力をさらに失わせる結果になりかねません。
以前も書きましたが(「一番じゃなきゃだめなんですか」),製品や技術が1番でもダメなのです。それをお客様に届ける仕組みまで含めて考えないと。
「競争優位」のシステム―事業戦略の静かな革命 (PHP新書)
- 作者: 加護野 忠男
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1999/10
- メディア: 新書
ビジネスモデル戦略論 (Harvard Business Review Anthology)
- 作者:
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/10/06
- メディア: 単行本
絶版漫画を無料公開 [ビジネスモデル]
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/101125/gam1011250753000-n1.htm
違法アップロードに業を煮やした漫画家さんが,作家にも収益が還元されるようなビジネスモデルを,ということで立ち上げを決めたようです。
記事によれば,絶版になり出版社の管理が届かなくなった作品はとくに対策が難しく,今回の仕組みが1つの解決策になれば,と赤松氏は考えたそうです。
著作物の絶版。この問題に困っているのは著作権者だけではありません。ユーザーも同じ。
研究の仕事をしているとよくこんなことがしょっちゅうです。一橋大学や神戸大学のような研究大学ならば,図書館にいけば,必要な本はほとんどあります。しかし私が勤務している大学のように,いわゆる教育大学の図書館では古典と呼ばれる重要な研究書であっても蔵書されていなかったりします。それだけに絶版問題は研究者にとっては非常に深刻です。
とくに近年は,いとも簡単に研究書が絶版になってしまいます。いつまでも紙媒体にこだわっているから管理が大変なのであり,さっさと電子化してしまえばよいのにと思うのですが,古い体質の出版業界はなかなか電子化には踏み切りません。
ならば,せめて絶版にしたものについては,このマンガのように著者が自由に電子化できるような仕組みを整えて欲しいものです。これも立派な企業の社会的責任だと思います。
電子書籍の作り方、売り方 iPad/Kindle/PDF対応版
- 作者: 加藤雅士(FLOP DESIGN)
- 出版社/メーカー: MdN
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 単行本
電子書籍の正体 (別冊宝島) (別冊宝島 ノンフィクション)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/11/13
- メディア: 大型本
マクドナルドの強さ [ビジネスモデル]
儲かっている今だからこそでしょうか。次の一手です。
【オリコン:マクドナルドが2010年度中に433店舗閉店】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100209-00000005-oric-ent
マクドナルドとユニクロ。彼らの強みはまさにここにあるような気がします。うまく行っている時にこそ、現状を疑ってさらに自分たちを鍛える。そしてぶれない。
この二社は不況やデフレのあだ花。景気が良くなればまた廃れていく。そんな斜に構えた論評も聞こえてきますが,ダメな企業ほど調子のよいときに何もしない。うまく行かなくなってから焦って何かしようとする。しかしそのときにはヒト・モノ・カネが足りない。そんな感じではないでしょうか。
もちろんマクドナルドにもユニクロにも色々と問題があって,批判される部分があることは承知していますが,やはりよいところは素直によいと評価すべきではないのでしょうか。
ラーメン屋vs.マクドナルド―エコノミストが読み解く日米の深層 (新潮新書)
- 作者: 竹中 正治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 新書
なぜユニクロだけが売れるのか―世界を制するプロモーション戦略と店舗オペレーション
- 作者: 川嶋 幸太郎
- 出版社/メーカー: ぱる出版
- 発売日: 2008/11
- メディア: 単行本