マイクロソフト減収 [ビジネスモデル]
先週、マイクロソフトが上場以来初の減収決算を発表しました。
【日経新聞:マイクロソフト減収…「OS依存」曲がり角】
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20090727-OYT8T00320.htm
パソコン市場の落ち込みによる基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の販売不振が要因だ。業界ではソフトウエアの無料化や低価格化が広がっており、圧倒的なOS市場のシェア(市場占有率)を武器に高収益を稼ぎ出すMSの事業構造に転換を迫っているようだ。(以上引用)
確かに「パソコン市場の落ち込み」の要因もあるでしょうが,「ウィンドウズ・ビスタ」そのものの不振の影響も大きいでしょう。明らかにこの商品は失敗策であり、市場(顧客)から支持を得ることができませんでした。
圧倒的な市場シェアを背景に、近年のマイクロソフトの商品は顧客無視とも言えるようなバージョンアップを繰り返してきました。かつては新しい価値を提供するためのOSバージョンアップでしたが、不振のビスタは完全にバージョンアップそのものが目的化。それもマイクロソフトの事情でのバージョンアップと言わざるを得ないものでした。
本来ソフトを動かすための裏方に過ぎないOSが、バージョンアップするたびにハード(パソコンそのもの)の買い替えまで強いる。本末転倒のことが続いてきました。
じつは私もこのようなマイクロソフトのやり方に加え、アプリケーションソフト「Officeシリーズ」の度重なる無意味なバージョンアップと、その都度強いられるスイッチングコストの高さに嫌気が差し、ついにMacへの切り替えに動いた一人です。パソコンが売れていないと言いますが、じつはMacの販売は好調だという話も聞きます。この減収は顧客から示された「天罰」かもしれません。
その不振OS事業に強力なライバルが出現します。検索エンジンで高いシェアを誇るグーグルが、ついにOS分野にも進出します。それも有料・クローズド独自主義のマイクロソフトのビジネスモデルと正反対の、無料・オープンソースのリナックスベースでのOS開発です。マイクロソフトのこれまでのビジネスモデルを完全に破壊してしまう可能性を秘めています。
焦るマイクロソフトも、グーグルの主戦場であるネット広告事業を強化したり、ドル箱であるアプリケーションソフト「Officeシリーズ」の一部無料化を検討するなど、対抗手段を次々に打ち出しています。しかしこれはいつもこのブログで指摘している、ライバルへの対抗手段の行き先が、相手の得意とする土俵となってしまう危険性をはらんでいます。
有償と無償、クローズドとオープン。相容れないビジネスモデルを併存させようとするマイクロソフトに、果たして勝ち目はあるのでしょうか。
【日経新聞:マイクロソフト減収…「OS依存」曲がり角】
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20090727-OYT8T00320.htm
パソコン市場の落ち込みによる基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の販売不振が要因だ。業界ではソフトウエアの無料化や低価格化が広がっており、圧倒的なOS市場のシェア(市場占有率)を武器に高収益を稼ぎ出すMSの事業構造に転換を迫っているようだ。(以上引用)
確かに「パソコン市場の落ち込み」の要因もあるでしょうが,「ウィンドウズ・ビスタ」そのものの不振の影響も大きいでしょう。明らかにこの商品は失敗策であり、市場(顧客)から支持を得ることができませんでした。
圧倒的な市場シェアを背景に、近年のマイクロソフトの商品は顧客無視とも言えるようなバージョンアップを繰り返してきました。かつては新しい価値を提供するためのOSバージョンアップでしたが、不振のビスタは完全にバージョンアップそのものが目的化。それもマイクロソフトの事情でのバージョンアップと言わざるを得ないものでした。
本来ソフトを動かすための裏方に過ぎないOSが、バージョンアップするたびにハード(パソコンそのもの)の買い替えまで強いる。本末転倒のことが続いてきました。
じつは私もこのようなマイクロソフトのやり方に加え、アプリケーションソフト「Officeシリーズ」の度重なる無意味なバージョンアップと、その都度強いられるスイッチングコストの高さに嫌気が差し、ついにMacへの切り替えに動いた一人です。パソコンが売れていないと言いますが、じつはMacの販売は好調だという話も聞きます。この減収は顧客から示された「天罰」かもしれません。
その不振OS事業に強力なライバルが出現します。検索エンジンで高いシェアを誇るグーグルが、ついにOS分野にも進出します。それも有料・クローズド独自主義のマイクロソフトのビジネスモデルと正反対の、無料・オープンソースのリナックスベースでのOS開発です。マイクロソフトのこれまでのビジネスモデルを完全に破壊してしまう可能性を秘めています。
焦るマイクロソフトも、グーグルの主戦場であるネット広告事業を強化したり、ドル箱であるアプリケーションソフト「Officeシリーズ」の一部無料化を検討するなど、対抗手段を次々に打ち出しています。しかしこれはいつもこのブログで指摘している、ライバルへの対抗手段の行き先が、相手の得意とする土俵となってしまう危険性をはらんでいます。
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