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デンマーク便り [Denmark]

久々の更新です。

現在私は,研究のためにデンマークにいます。せっかくですので,デンマーク生活やここで気づいたことを時々お話してみたいと思います。とは言え,一応ブログのコンセプトも踏まえて経営やビジネスに関することを中心にしますが。

最初はデンマークの物価についてです。ご存じの通り,デンマークは高福祉・高負担ですから,税金は驚くほど高く設定されています。給与に対する直接税はなんと50%,そして日本で言うところの消費税が25%と高額です。

そのため物価は非常に高く,朝食に日本でも有名なデニッシュと呼ばれる菓子パン2つと,コーヒーを買うと,それだけで600円ぐらいしてしまいます。1年ぐらいまでの為替レートに比べると,今は円が少し強くなっていますからまだましですが,生活は大変です。

日本は世界一物価が高い国,なんて呼ばれていたのは遠い昔のことで,あのデフレ時代と最近の経済状況を経て,日本の物価はかなり下がっていることをひしひしと感じます。

もう1つ驚いたのは,デンマークにおける保護主義的な取り組みです。デンマークでは,自国商品に比べて輸入品の値段がかなり高くなっていることが少なくありません。例えばオレンジジュースですが,私が入ったスーパーマーケットでは,国産(正しく言うと国内で製造したもの)と,海外からの輸入品ですと2~3倍近い価格差があります。

またクレジットカードについても,保護主義的な取り組みをしています。デンマークではクレジットカードでの支払いが進んでおり,本当に小さなお店でもクレジットカードの読み取り機械が設置されています。

しかし多くのお店(とくに飲食店)では,外国のクレジットカードを使うと正規料金以外に手数料を上乗せされてしまいます。例えば同じVISAカードでも,デンマークVISAと日本VISAやアメリカVISAでは料金が変わってくるということです。

まあ日本やアメリカのカードに対しては仕方ないかなとも思うのですが,Eurocardというおそらくユーロ圏内で流通していると思われるカードに対しても,同じような措置がとられいます。ユーロ圏内では参入障壁になるような取り組みをしてはいかないと思っていたので,これは以外でした。

日本の中にいると,グローバル経済が進むと日本固有のやり方や,保護主義的な動きはどんどん削減されていかなくてはならないかのように信じ込んでしまっていますが,実際に海外生活を実感してみると,それは必ずしも正しくないということがわかってきます。あくまでも国益を守るという前提を踏まえての国際化なのです。

このブログでもちょくちょくお話ししていますが,やはり情報は足で稼いでいかないとだめですね。
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コメント 2

jensens


初めて、コメントさせていただきます。コペンハーゲンに住んでる者です。ドクターさんの、「国益を守るという前提を踏まえての国際化」に同意です。

また、挙げていらっしゃる例を考えてみると、少なくともデンマーク国内では、保護主義とは捕らえられていない場合が多いですよね。ダンコートは、数年前は、単なる「国民にとって便利なシステム」であったと思うのですが、いまや外国人や旅行客、グローバルビジネス(Visaカードなど)にとっての排他的なシステム(保護主義的)になってしまっていると思います。それでも、このシステムは、国民の利益に貢献しているものである以上、なくならないだろうと思うのです。
by jensens (2009-11-17 23:03) 

ドクター

jensensさん

コメントありがとうございます。少し忙しくて更新をサボっていますが…。

コメントいただいた記事は,こちらに来てすぐだったので、深くデンマークを知る前でした。住めば住むほど、EUに加盟しているのにいいんだろうかと思うことが多々あります。

でもおそらくどの国でも保護主義というのは、そんな感じなんでしょうね。国際協調の前に,自国民の利便性,自国民の利益。おそらく環境問題でも各国はこのスタンスをとるように思います。

それだけに何事につけても無償の愛,念ずれば通じる的発想の日本人が痛い目に遭わないか心配です。
by ドクター (2009-11-21 06:04) 

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