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本当にサービスの魅力? ドコモ「iコンシェル」が100万契約達成 [ビジネス一般]

競合他社との消耗戦をやめ,新規より既存,数より質,シェアより利益へと戦略転換を図るNTTドコモですが,新しく始めたサービス「iコンシェル」が100万契約を達成したというニュースです。

【産経新聞 ドコモ「iコンシェル」が100万契約達成】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090330-00000589-san-bus_all

この記事を読む限り,この新サービスに魅力があり,短期間で100万契約を実現したかのように思えてきます。果たしてそれは本当でしょうか?

じつは私もこの100万契約者の一人です。しかしこのサービスに魅力を感じているどころか,サービスの概要も全くわかっていないですし,1度も使ったこともありません。これはどういうことでしょうか。

種明かしをすれば,先日機種変更をしたときにドコモショップの人から端末購入価格を割引く条件として,このサービスへの加入を求められたから。ご存じのように,携帯電話各社はこれまで安い価格で端末を販売する代わりに,その分を通話料に上乗せする契約形態を改め,「適正」価格で端末を販売することで,通話料を引き下げるようになってきています。その結果,かつて1円で販売されていた携帯電話の端末は,今では5万円前後もするようになりました。

ところがこの5万円前後の表示価格も,じつのところ「iコンシェル」をはじめとする,代理店が指定する様々なオプション契約をつけた場合の料金であり,それを拒否するとさらに数千円が上乗せされます。おそらく代理店はドコモなどのキャリアから得られる手数料を原資として,端末価格のディスカウントを実現させているのでしょう。それも販売インセンティブだけらしく,1ヶ月だけこのオプションを解約してもかまわないと言ってきます。

オプションの総額は1千円/月ぐらい。それで端末価格が7千円ほどディスカウントされるわけですから,1ヶ月でやめてしまえば問題ありません。そういうわけで,私は「iコンシェル」100万分の1ユーザーになっているわけです。もちろんすべてのユーザーがそうだとは言いませんが,この100万契約という数字が,このサービスの本当の実力を示していないことは事実です。

先に述べたように,ドコモは戦略転換を目指しているはず。代理店にインセンティブをばらまくことで,見かけの数字を大きくしていく戦略を反省し,堅実に利益を出す体質へ自己改革を図っている途上のはずなのに,相変わらずこれでは。

そしていつもこのブログで言っていることですが,私たちもニュースの数字は疑ってかかること,そして自分自身の目や足で稼いだ情報をより大切にしていく姿勢が重要だということを,このニュースは教えていると思います。


marie claire (マリ・クレール) 2009年 05月号 [雑誌]

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: アシェット婦人画報社
  • 発売日: 2009/03/28
  • メディア: 雑誌





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