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ムーブ!が終了 [エッセイ]

関西在住の方以外はまったくご存じないと思いますが,大阪の朝日放送で放送されていた「ムーブ!」という番組が終了しました。

【朝日放送 ムーブ! http://asahi.co.jp/move/

まあ見たことがない人にいくら説明しても伝わらないと思いますが,平日の午後4時頃から6時までという一般的に主婦向けといわれる時間帯に,極めて硬派な報道を中心とした番組を提供していました。

例えば今では多くの人が騒ぎ出した社会保険庁の問題について,その口火を切るような不正免除問題をスクープしたり,NHKの看板番組であったプロジェクトXの打ち切り原因となったねつ造事件を指摘するなど,数々の権力者の不正や社会問題を指弾してきました。

【詳しくはWikipediaを http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%96!

また硬派なネタだけでなく,エンターテイメント系の情報もひと味変わっていました。例えばグルメコーナーとして飲食店を紹介するのですが,そのお店の場所や連絡先はもちろん,外観すらもモザイクをかけて写さず,ヒントだけ教えるという「知られてたまるか」など,まさに「クセのある」番組作りでした。


勝谷誠彦のまだまだ知られてたまるか!

勝谷誠彦のまだまだ知られてたまるか!

  • 作者: 勝谷誠彦とムーブ!
  • 出版社/メーカー: 西日本出版社
  • 発売日: 2009/02/04
  • メディア: 単行本



勝谷誠彦の知られてたまるか!

勝谷誠彦の知られてたまるか!

  • 作者: 勝谷 誠彦
  • 出版社/メーカー: 西日本出版社
  • 発売日: 2007/09
  • メディア: 単行本




その一方で,誤報や普段の言動とは裏腹に,自社の不祥事については匿名報道を行い批判を浴びるなど,何かとお騒がせ番組でした。

ただ,私はこの番組が大好きでした。もちろん平日のこの時間帯なので,リアルタイムで見ることはできませんから,すべてビデオにとってその日の夜や休日にすべて見ていました。それぐらいの価値がありました。

今,放送業界,とりわけ報道番組は岐路に立っているように感じます。本来は権力の監視役でありながら,その取材対象から発表される資料を,それも横並びで報道したり,ある新聞社の最高権力者のように権力そのものに介入したりして,その役割をまったくといっていいほど発揮していません。

それに対して関西ローカル局が作ったこの番組は,まさに報道の原点を取り戻そうとするような熱い取り組みでした。その番組が,「いろいろな」理由で終わってしまうことは,また一つ放送局のダイナミズム,復活の原動力を失ったように思えてしまいます(「いろいろな」理由については,前述のWikipediaなどを参考にしてください)。


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