仏教学部がなかった仏教大学 [大学マーケティング・シリーズ]
企業では,創業時の中核事業が現在ではなくなっている,という例はよくあります。しかし仏教大学なのに,仏教学部がなかったとは。ちょっとしたトリビアです。
それが今度,復活するそうです。
詳しい記事はここ; http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071023-00000966-san-soci
同校の名誉のために言っておくと,これまでも文学部の中でちゃんと仏教を学ぶことはできました。しかし,昨今の世情に鑑み,仏教学部をあえて復活させるようです。
大学にとって学部は重要な商品です。どのような教育を提供するのか,どのような人材を育てていくのか。それは学部に委ねられていることが一般的です。ですから同じ大学であっても,学部が違うとまるで他大学のような場合も多々あります。方針が違うわけですから,それは当然です。
この重要な商品。当然ですがネーミングも大切。消費財でもそうですが,機能(中身)が優れていればヒット商品になるわけでは必ずしもありません。どんなによい商品でも,ネーミングやブランド力がなければ,お客様にその価値が伝わらないからです。
だからといって流行の言葉を入れればよいというものでもありません。コロコロと変えるわけにもいきません。時代に合わせながらも迎合しない。それでいて,基本的な方針や教育哲学をきちんと反映しているネーミングが必要となります。
こう考えると,仏教大学の取り組みは1つの挑戦です。あえて伝統的なネーミングを復活させることで,時代の要請に応えようとしているからです。当然ですが,教育内容も強化されていくのでしょう。
少子化にともない,各大学は新しい戦略を策定することを迫られています。当然のことながら,この重要な商品である学部の見直しを進めているところも少なくないでしょう。しかし,単にネーミングを変えたり,学科を学部にするといった小手先の改革では企業と同じで生き残りは図れません。新しい価値,明確なメッセージを打ち出せなければ,大学と言えども市場から退出させられることになってしまいます。
大学もこれから生き残りに大変ですね。私の出身大学もいくつかの高校と提携しているようです。
ところで、京都の大学で佛教学部はたぶん無いでしょう。知恩院さん(浄土宗)の佛教大学、お東さんの大谷大学、本願寺さんの龍谷大学など佛教科はあるかも知れませんが。
by nhama (2007-10-24 21:35)
nhamaさん。コメントありがとうございます。種智院大学は仏教学部のようです(仏教学部のみ)。ただこちらは人文学部に名称変更するそうです。
by ドクター (2007-10-24 21:57)