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少しは環境問題を疑おう [環境問題]

このブログでも何度か取り上げている環境問題の「問題点」。今度はレジ袋です。この記事によれば,レジ袋をもらう人は85%を超えているとか。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070530-00000112-mai-soci

で,それをやめろと言いたいのでしょうか。そもそもレジ袋は石油を精製したあとの廃油で作っています。資源を有効に活用しているとも言えるわけです。もしレジ袋の生産をやめたら,この廃油処理はどうなるのでしょうか。もちろん,レジ袋を作るためには廃油以外にも様々な資源を使うので,トータルコストを考える必要がありますが,それはレジ袋を廃止した場合も同じです。

最近,私が住んでいる自治体はゴミ回収における分別区分をさらに細かくし,プラスチック製品は生ゴミとは別に出すように制度を改めました。お菓子の袋,ラップ,ペットボトルの蓋など,意外とプラスチック製品はたくさんあります。別にこれを分別することに異議はないのですが,少し考えてもらいたいのです。

第1に,本当にすべてリサイクルするのでしょうか。最近よく取り上げられている武田邦彦さんによると,あれだけ熱心に分別回収をしているペットボトルは,その大半が焼却処分されているとのこと。結局焼却に回すのであれば,回収コストが増えた分,意味がないのでは。この点については,ぜひ武田さんの本を。

環境問題はなぜウソがまかり通るのか

環境問題はなぜウソがまかり通るのか

  • 作者: 武田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: ペーパーバック

第2に,他の資源を無駄遣いしているとは思わないのでしょうか。自治体の指導によると,プラスチックトレイやカップめんの容器などは,よく洗ってから回収に出せと言っています。しかし,この洗うための水をムダに使うことは別に構わないのでしょうか。日本人は水と安全がタダだと,今でも思いこんでいるフシがあります。しかしその神話は両者ともとっくの昔に消え去っています。水不足は年々深刻さを増しています。この大切な水を,リサイクルもされないゴミの回収のために使ってもよいのか,私は多いに疑問を感じます。

第3に,ゴミの焼却問題をどう考えているのでしょうか。プラスチックを燃やすとダイオキシンが…,という話は温暖化で北極の氷が解けて地球が水没する,というぐらい大嘘です。高温で焼却されたゴミからはほとんどダイオキシンんは出てきませんし,仮に出たとしても最近の処理施設にはきちんとフィルターが装備されているため,ほとんど問題は起きません。
むしろ,よく燃える石油製品を取り除き,不完全燃焼を起こす生ゴミだけを焼却するとどうなるのか。小学生でもわかる理屈です。最近では,燃えない生ゴミを燃やすために,上から石油をかけているとも聞きます。本末転倒です。

日本の消費者は,ブームが起きると無批判でそれに飛びつきます。その流れに異議を唱える人を非国民扱いです。環境問題は,その典型例です。皮肉混じりに言えば,それだけに企業のマーケティング・メッセージとしてはこれほど「おいしい」テーマはありません。だれも批判しないのですから。環境にやさしい,を唄っておけば皆が支持してくれるのです。

ただそろそろ私たちも,このようなメッセージに疑いを持つべきです。ポーズとしての環境対策をやめ,もっと抜本的な変革を求めなくてはいけません。そのための取り組みをする企業へは,例えば3倍の価格であっても支持を与える。環境税が所得の10%になっても受忍する。これぐらいの気構えがなければ。ポーズとしての環境対策は,ただ経済を縮小させるだけだと思います。

リサイクル幻想

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  • 作者: 武田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/10
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日本社会を不幸にするエコロジー幻想―「環境にやさしい」が環境を破壊する

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  • 作者: 武田 邦彦
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