バイオ燃料が引き起こす経済危機 [環境問題]
私は授業の中で,「風が吹けば桶屋が儲かる」の話をよくします。因果関係の説明にちょうどよいからなのですが,どうも「バイオ燃料が普及すると経済危機が起きる」ということが,あながち見かけの相関ではなさそうな様相を呈してきました。 http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070601k0000m040125000c.html
調味料の実勢価格は,コンビニがカギを握っていたりします。最大手のセブンイレブンがまだ値上げに踏み切っていませんが,すでに複数の大手コンビニが動き出した以上,この流れはとまりそうにもありません。マヨネーズを食べなくても死にはしませんが,発展途上国における食糧危機が迫っていることは明らかです。先進諸国の無思慮なエコごっこのツケを払わされるのは,彼ら弱い人たちです。
この問題はいずれ議論するとして,企業が戦略を考える場合,外部環境分析が不可欠です。そのときに気をつけなければいけないのが,見えているものだけで判断せず,つねに複数のオプションを準備することです。例えば今回のバイオ燃料。バイオ燃料の普及は新しいビジネスを開発しましたが,一方で原材料費の高騰を招きます。原材料費の高騰は,企業の収益構造を大きく変える可能性を持っています。
このように,外部環境は将棋と同じで,自分が一手指しても,相手が一手指しても,その後の局面は変わっていきます。棋士はそれに対して頭をフル回転させて先を読みます。経営学的に言えば,様々な戦略オプションを用意するわけです。この「先読み」がどれだけできるか。これからの時代,非常に大切になってきます。
ただ名人羽生善治氏は,先読みの力と同時に,物事を単純に考えて,「直感」を大切にすることも必要であると言っています。さんざん考えた後は,どのオプションを選択すべきかは,意外と直感に頼るとよいというものです。
これはヤマカンということではなく,考えたとは脳がきちんと正しい方向を示してくれるのだということ。だからまずは考えることが大切なのですが,考えたあとは思い切りが大切。やはり超一流からは学ぶことがたくさんあります。
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