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バイオエタノールは環境問題の切り札? [環境問題]

環境問題に対応するための次世代燃料,「バイオエタノール」が先週あたりから市場に出回り始めました。トウモロコシを原料として作られるこの燃料。ガソリンの代替品として自動車の燃料に使われるのですが,どうも問題点も多そうです。知れば知るほど,なぜバイオエタノールを使わなくてはいけないのかが,よくわかりません。

第1に,二酸化炭素の放出量。イメージ的に植物由来のバイオエタノールを使うと,CO2の量を減らせそうですが,じつはガソリンとほとんど代わりがないそうです。それどころか製造や輸送工程で,逆に従来の1.5倍ものCO2を出してしまうという試算もあります。

つまり有限である化石燃料の使用量を減らすという意味では有効なバイオエタノールも,二酸化炭素の排出という点ではあまり意味がないということです。

第2に,食糧危機の問題。朝日新聞にこのような記事が出ていました。http://www.asahi.com/business/update/0426/TKY200704260300.html

トウモロコシはご存知のように,コメ,小麦,ジャガイモと並ぶ人間のいわゆる主食となる食べ物の1つです。それを食べるのではなく燃料として使ってしまうと,肝心の食料用途で価格が高騰するおそれがあります。加えて記事にあるように,トウモロコシは家畜の飼料として使われています。この飼料の値段が高騰し,結果的に食肉の価格が上がってしまうという問題を引き起こしています。

ただこれもちょっと考えればわかること。何を今更という気がしませんか? 何か裏があるように思えてなりません。

環境問題はとても大切なことですが,イメージや感情論で進めていくと,じつはもっと悪い方向に流れてしまうことも少なくありません。いずれ機会を見つけて取り上げたいと思いますが,ゴミの分別回収も本当のところ,どれだけ環境問題に貢献しているのかは不明なのです。

このブログで何度も取り上げていますが,色々なことを科学的に見ていく姿勢は極めて大切なように思います。

環境問題を新しい視点から考えたい人はこれを是非読んでください。目から鱗です。

環境問題はなぜウソがまかり通るのか

環境問題はなぜウソがまかり通るのか

  • 作者: 武田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 単行本


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