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民主党大勝のカゲで [ビジネス一般]

連日のように新政権をめぐる報道がなされていますが,その前に今回の選挙に関して検証しておくべきことがあるように思います。

それは世論調査。大手新聞社は独自の世論調査と取材をもとに,獲得議席を何回も報道してきました。民主党が「予想どおり」大勝したことで見過ごされていますが,じつは大きな問題があったと言えます。それは報道による「アナウンス効果」です。

確かに各社の予想通り民主党は300議席以上を獲得しましたが,事前に出した予想値を細かく見てみると,明らかにアナウンス効果があったこととがわかります。

例えば毎日新聞は「自民68−108」「民主318−330」という予測でした。また朝日新聞は「自民89−103−115」「民主307−321−330」という予想です。他も似たようなもので、大半が民主320超え、自民100割れの可能性を示唆していました。

実際の数値はご存じのように,民主党308,自民党119議席でした。つまり毎日新聞の予測は民主党の場合は下限値よりさらにマイナス10(自民党は上限値のプラス10)、朝日新聞は民主党への予測がかろうじて下限値プラス1、自民党は上限値プラス3です。

通常は中間値の周囲で落ち着くものですが、上限(もしくは下限)にもうまく納めることができなかった今回の予測は、調査精度がかなりいい加減か、アナウンス効果があったかのどちらかです。その振れ幅も決して少なくはないわけです(例えば自民党議席は1割以上の誤差ということ)。

私はおそらく後者だと思います。事前の予測と前回の郵政選挙の反省から、日本人が持っているバランス感覚が働いたものと推測します。本当にこれがアナウンス効果だとすれば、少なからず国民の投票行動に影響を与えている選挙前の世論調査は,果たして必要なのかと考えざるを得ません。

私も一度対象となったことがある,投票所で行われている出口調査も,投票行動に影響を与えいるのではないかとの批判があります(例えば山崎元氏:http://news.goo.ne.jp/article/diamond/politics/2009082608-diamond.html

本当に伝えるべきことは何か。政局や権力闘争を煽る前に、是非検証すべきだと思います。

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