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ドンキの「驚安」 メガドン・キホーテ [ビジネスモデル]

ついこの間,デフレトレンドから脱却したばかりだと思っていたのですが,あっという間に逆戻りの様相です。デフレになると強いマクドナルドやユニクロ(ファーストリテイリング)は業績を伸ばしています。

さてそのような中,「激安の殿堂」ことディスカウント・ストアのドンキ・ホーテが,今後大型店業態の「MEGAドンキ・ホーテ」を積極的に展開させていくという記事が朝日新聞に掲載されています。それも激安ならぬ「驚安」だそうです。

【朝日新聞 「メガ・ドンキ」5倍増の計画 生鮮品扱い主婦層ねらう】
http://www.asahi.com/business/update/1229/TKY200812290160.html

中でも注目なのは,生鮮食料品も取り扱うことでこれまで男性中心だった客層を,主婦にも拡大させようとする戦略であるという点です。狙いは面白いのですが,私はこの戦略,相当厳しいと思っています。なぜなら同じ小売業でも,生鮮食品を扱う場合はその事業のしくみが大きく異なるからです。

詳しいことは後日,改めてお話したいと思いますが,商品劣化が早い生鮮食品を取り扱うということは,トヨタのジャスト・イン・タイムと同じような精密なサプライチェーン・マネジメントや生産管理技術が求められます(じつはトヨタのJIT生産管理は,食品スーパーを参考に生み出されました)。またドンキ・ホーテが得意とする大量仕入れ,大量販売にはじつは馴染みにくい商品が,生鮮食品です。これを十分理解しないで事業を始めると,必ず手痛い目に遭います。

実際,これまでも豊富な経営資源をもった大手企業が多数,生鮮食品にまつわる事業に参入しましたが,ことごとく失敗に終わっています。あの優れたサプライチェーンの仕組みを持ったユニクロでさえ,野菜販売事業からの短期間での撤退を余儀なくされています。

見かけのシナジー効果ではなく,事業の仕組みの違い。この重要性を十分認識しないと,新規事業はうまくいきません。


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