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喫煙OKのタクシー [マーケティング]

あちらこちらで続く値上げラッシュ。そのような中,タクシーの初乗料金も値上げが始まりました。景気回復で若干持ち直したかと思われるタクシー業界ですが,その一方で規制緩和が進み,台数が増えたために競争が激化。タクシー運転手の方々の年収は悲惨な状況にあるとも言われています。

そのような状況をなんとかしようとしての今回の値上げですが,いつもこのブログで言っているように,価格に頼ることは最後の手段。その前に色々と取り組むべきこともあると思いますが,その1つの取り組みに関する記事を見つけました。喫煙OKを謳うタクシーです。

詳しい記事はここ; http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071203-00000081-san-soci

ここ数年,喫煙者への迫害は強くなる一方です。私も徹底した嫌煙家なので,このような流れはうれしい限りなのですが,一方で愛煙家という市場は依然として大きなわけですから,マーケターであればこれを見逃してはいけません。

おそらくこの喫煙OKタクシーへのニーズは強いと思われます。ある友人が2,3年前に言っていたのですが,愛煙家にとって現在のエアライン,とりわけ国際便は地獄だそうです。何時間も喫煙できないのですから,大変です。その友人曰く,「喫煙ができるなら,ビジネスクラスのカネを払ってもいい。とくにアメリカやヨーロッパ便ならファーストクラス並の料金でも」。

つまり相当のプレミアム価格を受忍するというわけです。実際にヨーロッパのあるエアライン会社が,喫煙全面OK便を就航させるというニュースがありました。ファーストクラス,ビジネスクラスだけで,エコノミーの設定はないとのこと(ただ計画段階で本当に就航できるかどうかはわからないようですが)。

同じ理屈で,タクシーもビジネスとしていけるかもしれません。ただ忘れてはいけないのが,消費者がきちんと選択できるしくみも用意することです。

現実問題として,タクシーの「ブランド」を選択することはかなり困難です。街のタクシー乗り場では,こちらに選択権はありませんし,街を流しているタクシーを捕まえるときも同じです。いくらユニークなサービスを考え出しても,それをお客様に届けるしくみを整備していなければ,そのサービスを成功に導くことはできません。

東京の日本交通というタクシー会社は,高級化路線で好調な企業ですが,彼らは高級路線を好むお客様を確実に取り込むため,彼らが行動する場所,例えば高級ホテルなどに専用の乗り場を作っています。

同じように差別化路線の先駆けである京都のMKタクシーは,同業者の反発を買いながらも,京都駅前や大阪などに専用の乗り場(営業所)を開設することで,指名買い(指名乗り?)を可能にしています。

差別化やブランド戦略の一番の目的は,お客様からの指名買いを増やすこと。A社でもB社でもなく,我が社の製品やサービスを好きになっていただき,次回も次々回も我が社のそれを購入していただくようになってもらう状況を作り出すことです。

そのためには,好きになってくれたお客様が確実に購入(選択)できるしくみをしっかりと整備しなくてはいけません。当たり前のことのように思えますが,多くの企業は製品やサービスだけに目を奪われて,この受け皿に関するしくみを忘れてしまうことが多々あるようです。


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