企業のTwitterマーケティングの実態 [マーケティング]
結局の所,ミエミエの販促ツールと化しているということでしょうか。
自分もTwitterをやってみて思ったのですが,これまでとは全然違う発想というか態度(気持ち)で接しないとダメだなと。
それはTwitterに限らず,ネットを使ったマーケティングや経営全般に当てはまるのかもしれませんが,まさに「コミュニケーション」が求められる気がします。こちらの「スケベ心」が見えてしまう「一方通行」の情報伝達では,効果がないどころかかえってマイナスになってしまいます。
まだまだ試行錯誤が続くツールなのでしょうから,事例の蓄積や専門家の増加が求められるのかもしれません。
Twitterの神々 新聞・テレビの時代は終わった (現代ビジネスブック)
- 作者: 田原 総一朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える
- 作者: 枝 洋樹
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本
Twitter使いこなし術 パワーユーザー100人の「技」を公開 (アスキー新書)
- 作者: 根岸 智幸
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/01/08
- メディア: 新書
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
- 作者: 津田 大介
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/11/06
- メディア: 新書
Twitter・Facebook・YouTube・Ustream── ”ソーシャル”なサイト構築のためのWeb API コーディング
- 作者:
- 出版社/メーカー: MdN
- 発売日: 2011/04/22
- メディア: 単行本
政府もマーケティングを [マーケティング]
山形弁を操る外国人タレントダニエル・カールさんが,動画サイトYoutubeを使って,国内外の外国人に冷静な対応を呼びかけたそうです。
自分自身も体験したことですが,外国にいると色々と不安が増えます。とくにニュースもよくわからない状況では,間違った情報に踊らされてしまうことも仕方のないこと。
日本政府ももっと上手な広報活動,マーケティングを行い,不必要な風評被害を防ぐ努力をすべきではないでしょうか。
あの有名お土産物店に初訪問 [マーケティング]
山形での研究取材から戻りました。
非常に実りの多かった取材だったのですが,それはまた腰を据えて書くとして,今日はあの有名お土産物屋さんのお話。
楽天では常に人気上位店としてその名を轟かせている山形の「清川屋」です。テレビや雑誌でもよく取り上げられていて,ネット通販が世の中で注目され始めた頃に「ネットは実店舗以上に接客が大切」という名言を残していた企業です。
清川屋ホームページ http://www.kiyokawaya.co.jp/kaisha_gaiyou/index.html
ただ「まあ所詮お土産物屋だろう」と思っていたのですが,訪れてみて驚きました。広い店舗に上手に商品が並べられています。そしてよくあるお土産物屋や物産展のような「ありきたり」な商品ではなく,どれも本当にしっかりとした,魅力的なものばかりです(文章では伝わらないでしょうが)。
得てしてお土産は,価格とボリュームであったり,インパクト勝負で味は二の次であったりすることが多いのですが,清川屋で並ぶ商品は自分自身が山形の味を楽しむためにも適している物が数多くありました。
次から次へとお客様が入ってきていましたし,街を歩くと清川屋の紙袋を下げた人も多く見かけました。どんな業態でも「しっかり」と経営すれば,「しっかり」とした成果が生まれるのだなと実感です。おそらくネットを通じてリピートしそうです。
非常に実りの多かった取材だったのですが,それはまた腰を据えて書くとして,今日はあの有名お土産物屋さんのお話。
楽天では常に人気上位店としてその名を轟かせている山形の「清川屋」です。テレビや雑誌でもよく取り上げられていて,ネット通販が世の中で注目され始めた頃に「ネットは実店舗以上に接客が大切」という名言を残していた企業です。
清川屋ホームページ http://www.kiyokawaya.co.jp/kaisha_gaiyou/index.html
ただ「まあ所詮お土産物屋だろう」と思っていたのですが,訪れてみて驚きました。広い店舗に上手に商品が並べられています。そしてよくあるお土産物屋や物産展のような「ありきたり」な商品ではなく,どれも本当にしっかりとした,魅力的なものばかりです(文章では伝わらないでしょうが)。
得てしてお土産は,価格とボリュームであったり,インパクト勝負で味は二の次であったりすることが多いのですが,清川屋で並ぶ商品は自分自身が山形の味を楽しむためにも適している物が数多くありました。
次から次へとお客様が入ってきていましたし,街を歩くと清川屋の紙袋を下げた人も多く見かけました。どんな業態でも「しっかり」と経営すれば,「しっかり」とした成果が生まれるのだなと実感です。おそらくネットを通じてリピートしそうです。
居酒屋倒産 過去最高。その理由は? [マーケティング]
価格競争の激化はともかく,「飲酒運転に対する罰則が2007年9月から強化されたことが影響していると分析している。」(帝国データバンク)はちょっとアレなのでは?
それはさておき,すべてのお客様が「低価格」を望んでいるという考えと,「すべてのお客様」を満足させるという発想を捨てない限り,居酒屋とくに小規模店舗の生き残りは絶望的なように思います。
居酒屋に限らず,「差別化」とそのための「ターゲッティング」は生き残りのための重要なキーワード。経験上顧客を絞り込むというと,多くの経営者は拒否反応を示します。
しかし絞り込みとは,それ以外のお客様を閉め出すと言うことではありません。自分が一番大切だと思ったお客様にぐらい,100点満点の満足を感じてもらうことです。すべてのお客様を100%満足させることなどあり得ないわけですから。
これだけニーズや生活が多様化した社会です。大きな中間市場などもはやあり得ないということを理解しなくてはなりません。
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
- 作者: フィリップ・コトラー
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/09/07
- メディア: 単行本
焼き肉「ロース」から「ヘルシーロース」へ? [マーケティング]
長く業界の悪習として続いていた「言い換え」が,変更されるそうです。
【読売新聞:焼き肉店の「もも」、「ヘルシーロース」と改名】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110120-OYT1T00584.htm?from=main7
本来であれば「ロース」と呼べるのは牛の肩から背中にかけての部位の肉だけらしいのですが,業界では赤身であれば「ロース」として販売していたとのこと。ですから「上ロース」が本物のロースで,「ロース」がもも肉だったりしたわけです。
しかしそれは景品表示法違反(優良誤認)にあたると消費者庁から指摘をうけ,業界団体が変更を検討していたそうなのですが,その結論が「ヘルシーロース」。
でもこれって,相変わらずおかしいのでは? いくら「もも肉です」という注意書きを付けるとはいえ,「ヘルシーロース」ってなんとなくただの「ロース」以上に優良誤認させてしまいそうな気がするのですが。
もも肉だって立派な部位なのですから,正直に売るべきです。妙な小細工をするよりも,もも肉という部位にストーリーなり価値を持たせる工夫をした方がよいと思うのです。かつては捨てるものだった鮪のトロだって,今では高級商材なのですから。
【読売新聞:焼き肉店の「もも」、「ヘルシーロース」と改名】
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110120-OYT1T00584.htm?from=main7
本来であれば「ロース」と呼べるのは牛の肩から背中にかけての部位の肉だけらしいのですが,業界では赤身であれば「ロース」として販売していたとのこと。ですから「上ロース」が本物のロースで,「ロース」がもも肉だったりしたわけです。
しかしそれは景品表示法違反(優良誤認)にあたると消費者庁から指摘をうけ,業界団体が変更を検討していたそうなのですが,その結論が「ヘルシーロース」。
でもこれって,相変わらずおかしいのでは? いくら「もも肉です」という注意書きを付けるとはいえ,「ヘルシーロース」ってなんとなくただの「ロース」以上に優良誤認させてしまいそうな気がするのですが。
もも肉だって立派な部位なのですから,正直に売るべきです。妙な小細工をするよりも,もも肉という部位にストーリーなり価値を持たせる工夫をした方がよいと思うのです。かつては捨てるものだった鮪のトロだって,今では高級商材なのですから。
事例でわかる物語マーケティング (SeriesMarketing)
- 作者: 山川 悟
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2007/09/27
- メディア: 単行本
限定してストーリーを語ろう!―中小企業のための限定品マーケティング
- 作者: 小林 憲一郎
- 出版社/メーカー: 同友館
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
これだけは知っておきたい!独禁法―景表法、下請法、海外競争法もこれで納得!
- 作者: 村田 恭介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
牛丼値下げ競争の不毛 [マーケティング]
いったい何がしたいのでしょうか。
またしても牛丼・牛めし各社が値下げ競争です。
【読売新聞:牛めし・牛丼一斉値下げ、1週間限定ですが】
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110111-OYT1T01019.htm
この値下げによって新たな需要(顧客層)が開拓されたり,スケールメリットが拡大したりという効果がさほど生まれるとは思えません。ただただ不毛な消耗戦を繰り広げているように感じます。
ここまで値下げを続けると,自分たちの商品には価値はありませんよと宣伝しているかのようです。
かつて同じような値下げを繰り返し,結果的に迷走を続けた日本マクドナルド。しかし原田社長の登場で,見事なまでの価値向上と価格アップを遂げたことを,牛丼各社は考えて欲しいものです。値下げは戦略でもなんでもないのですから。
またしても牛丼・牛めし各社が値下げ競争です。
【読売新聞:牛めし・牛丼一斉値下げ、1週間限定ですが】
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110111-OYT1T01019.htm
この値下げによって新たな需要(顧客層)が開拓されたり,スケールメリットが拡大したりという効果がさほど生まれるとは思えません。ただただ不毛な消耗戦を繰り広げているように感じます。
ここまで値下げを続けると,自分たちの商品には価値はありませんよと宣伝しているかのようです。
かつて同じような値下げを繰り返し,結果的に迷走を続けた日本マクドナルド。しかし原田社長の登場で,見事なまでの価値向上と価格アップを遂げたことを,牛丼各社は考えて欲しいものです。値下げは戦略でもなんでもないのですから。
1番じゃないとダメなんですか? [マーケティング]
この部分だけが一人歩きして,大批判を受けている大臣がいましたが,この問題を考えるよい材料となるニュースが昨年末にありました。
【ウルグアイ、日本方式に変更へ=地デジ】
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201012/2010122800307
次世代のテレビ放送のシステムにはいろいろな規格(方式)があるのですが,ウルグアイはいったん欧州方式の採用を決定していました。それをあの手この手で日本方式に差し替えることに成功したという,すごいニュースです。
昨日書いたように,日本のメディアはネガティブなニュースは大きく扱いますが,このようなよい兆しについてはものすごく小さな扱いです。しかしこのニュースが意味することが決して小さい物ではありません。
例えば輸出の増大です。韓国をはじめとする新興国に押されまくっている日本の家電産業にとって,南米市場が日本方式で染まることは大きな追い風です。送電機器など関連需要も含めれば,巨大なマーケットを押さえるための大きなアドバンテージを手にしたことになります。
これまで日本の研究機関や企業は,技術開発に優れていてもその収益化については不得手とされてきました。代表的な例で言えば,コンピュータ分野におけるトロン。マイクロソフトのウインドウズよりも優れていたと言われますが,標準化争いで完敗し大化けすることはできませんでした(ただ現在も特定分野では強い力を発揮しています)。
家庭用ビデオのVHS規格など,成功例もありますが日本の技術水準から考えると,やはりビジネスとして成功した例は少なすぎるといえるのではないでしょうか。
冒頭の「1番じゃないとダメなんですか」ではないですが,技術的に1番であっても,それを事業化につなげることができなければ,それは意味のないこと。もちろん開発者がノーベル賞をとって国威発揚,世界に貢献するというメリットはありますが,やはり国家戦略,企業戦略としてはその技術が収益につながって「なんぼ」です。
逆に言えば2番手であっても,それをきちんと事業化することができれば国は栄えます。韓国企業や台湾企業が世界市場で大きなシェアを占めているのは,まさにこれです。
技術が1番であればよいというわけではないのです。
まさにマーケティング,ビジネスモデルへの投資が不可欠なのです。
【ウルグアイ、日本方式に変更へ=地デジ】
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201012/2010122800307
次世代のテレビ放送のシステムにはいろいろな規格(方式)があるのですが,ウルグアイはいったん欧州方式の採用を決定していました。それをあの手この手で日本方式に差し替えることに成功したという,すごいニュースです。
昨日書いたように,日本のメディアはネガティブなニュースは大きく扱いますが,このようなよい兆しについてはものすごく小さな扱いです。しかしこのニュースが意味することが決して小さい物ではありません。
例えば輸出の増大です。韓国をはじめとする新興国に押されまくっている日本の家電産業にとって,南米市場が日本方式で染まることは大きな追い風です。送電機器など関連需要も含めれば,巨大なマーケットを押さえるための大きなアドバンテージを手にしたことになります。
これまで日本の研究機関や企業は,技術開発に優れていてもその収益化については不得手とされてきました。代表的な例で言えば,コンピュータ分野におけるトロン。マイクロソフトのウインドウズよりも優れていたと言われますが,標準化争いで完敗し大化けすることはできませんでした(ただ現在も特定分野では強い力を発揮しています)。
プロジェクトX 挑戦者たち 第VII期 家電革命 トロンの衝撃 [DVD]
- 出版社/メーカー: NHKソフトウェア
- メディア: DVD
家庭用ビデオのVHS規格など,成功例もありますが日本の技術水準から考えると,やはりビジネスとして成功した例は少なすぎるといえるのではないでしょうか。
冒頭の「1番じゃないとダメなんですか」ではないですが,技術的に1番であっても,それを事業化につなげることができなければ,それは意味のないこと。もちろん開発者がノーベル賞をとって国威発揚,世界に貢献するというメリットはありますが,やはり国家戦略,企業戦略としてはその技術が収益につながって「なんぼ」です。
逆に言えば2番手であっても,それをきちんと事業化することができれば国は栄えます。韓国企業や台湾企業が世界市場で大きなシェアを占めているのは,まさにこれです。
技術が1番であればよいというわけではないのです。
まさにマーケティング,ビジネスモデルへの投資が不可欠なのです。
技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由
- 作者: 妹尾 堅一郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/07/31
- メディア: 単行本
AKBのCDがオークションで大量出品 [マーケティング]
続く体調不良。
なのでさっくと軽いネタで。
今や社会現象となりつつあるAKBですが,彼女たちのCDがオークションに大量出品されているとのこと。
【AKB“珍現象” 初ミリオンCDがオークションでタダ同然の怪】
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/04/news090.html
秋元康氏らが展開するAKBの売り方は,非常にマーケティングの勉強になります。
モノが売れない時代と言われていますが,やり方1つ,それも他ですでに使われたことがある手法でも頭を使えばまだまだ売れるということでしょう。よい悪い,好き嫌いは別として。
嘆く前に頭を使わねば。
ちなみにご存じかと思いますが,爆発的なヒットを遂げたこの本も秋元康氏のお弟子さんが書いたモノだそうです。
なのでさっくと軽いネタで。
今や社会現象となりつつあるAKBですが,彼女たちのCDがオークションに大量出品されているとのこと。
【AKB“珍現象” 初ミリオンCDがオークションでタダ同然の怪】
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1011/04/news090.html
秋元康氏らが展開するAKBの売り方は,非常にマーケティングの勉強になります。
モノが売れない時代と言われていますが,やり方1つ,それも他ですでに使われたことがある手法でも頭を使えばまだまだ売れるということでしょう。よい悪い,好き嫌いは別として。
嘆く前に頭を使わねば。
ちなみにご存じかと思いますが,爆発的なヒットを遂げたこの本も秋元康氏のお弟子さんが書いたモノだそうです。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 作者: 岩崎 夏海
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
やはり自民党敗北の要因は… [マーケティング]
以前このブログで,自民党敗北の原因の1つとして,行きすぎたネガティブキャンペーンがあったのではないかと指摘しました(記事はここ)
この記事は久々に飛び抜けた数のアクセスをいただいたのですが,あの記事を裏付けるような調査結果が出てきました。
【産経新聞:自民敗北原因は「あのCM」だった? 】
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090923/elc0909230719000-n1.htm
あのCMを見た有権者の反応は,私が思っていた以上でした。CMの狙い通り民主党に悪印象をもったのはわずか4.6%。これに対して作った側,つまり自民党に対して逆に悪印象がなんと6割という悲惨な結果です。
もし民間企業でこのような広告を作ったら,担当者はもちろんのこと代理店も大きなペナルティを負うことになるでしょう。担当者は降格,代理店は当分出入り禁止です。
記事はこのように結んでいます。
「だからといって、自民党の選挙戦略に代替案があったかどうかといわれると難しい。「ひたすら土下座」で同情を買うという戦略しかなかったなどといえば、あまりにさびしい話になってしまう。」
本当にそうでしょうか。相手を説得したり,何かを説明するときに,私たちは「理由」を使います。その理由には「消極的理由」と「積極的理由」の2つがあります。例えばAとBという2つの代替案があり,説明者はAを推したいとします。そのとき,AとBの問題点を挙げていき,Bの問題点が多いからAを選びましょうという方法が消極的理由を用いた説得です。今回自民党が使った方法はこれに近いと思われます。
しかしよく考えればわかるのですが,消極的理由をいくら増やしてもじつは説得力はそれほど増しません。必ず積極的理由,つまりAを選ぶ理由もきちんと付け加えないとダメなのです。逆に積極的理由だけでもダメです。バランスが大切なわけです。
テクニックとしては消極的理由を先に挙げて,積極的な理由を最後に持ってくると印象はよいようです(あくまでも経験的ですが)。例えば,
この道路は新しい産業を育成する可能性があります。しかし作らなければ交通渋滞が解消できません。もちろん「排ガス」や「建設費の増大」といった問題が懸念されますが。
この道路を造ると確かに「排ガス」や「建設費増大」といった問題が生じます。しかしこの道路を造らなければ交通渋滞が解消できません。さらにこの道路は,周辺の新しい産業の育成に大きく貢献するわけです。
だと,おそらく後者の方が説得力は増します(ただ責任逃れのためには,前者のような「危険性」や「例外」をたくさんあとから付け加えた方が安全なのですが)。
話をもとに戻しますが,前回の記事でも書いたように,ネガティブキャンペーンをする一方で,その問題点に対して私たちはこんな回答を持っていますという,丁寧な説明という方法を付け加える。こんな対応策はあったと思います。ネガティブキャンペーンか土下座かの選択ではなかったように思います。
この記事は久々に飛び抜けた数のアクセスをいただいたのですが,あの記事を裏付けるような調査結果が出てきました。
【産経新聞:自民敗北原因は「あのCM」だった? 】
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090923/elc0909230719000-n1.htm
あのCMを見た有権者の反応は,私が思っていた以上でした。CMの狙い通り民主党に悪印象をもったのはわずか4.6%。これに対して作った側,つまり自民党に対して逆に悪印象がなんと6割という悲惨な結果です。
もし民間企業でこのような広告を作ったら,担当者はもちろんのこと代理店も大きなペナルティを負うことになるでしょう。担当者は降格,代理店は当分出入り禁止です。
記事はこのように結んでいます。
「だからといって、自民党の選挙戦略に代替案があったかどうかといわれると難しい。「ひたすら土下座」で同情を買うという戦略しかなかったなどといえば、あまりにさびしい話になってしまう。」
本当にそうでしょうか。相手を説得したり,何かを説明するときに,私たちは「理由」を使います。その理由には「消極的理由」と「積極的理由」の2つがあります。例えばAとBという2つの代替案があり,説明者はAを推したいとします。そのとき,AとBの問題点を挙げていき,Bの問題点が多いからAを選びましょうという方法が消極的理由を用いた説得です。今回自民党が使った方法はこれに近いと思われます。
しかしよく考えればわかるのですが,消極的理由をいくら増やしてもじつは説得力はそれほど増しません。必ず積極的理由,つまりAを選ぶ理由もきちんと付け加えないとダメなのです。逆に積極的理由だけでもダメです。バランスが大切なわけです。
テクニックとしては消極的理由を先に挙げて,積極的な理由を最後に持ってくると印象はよいようです(あくまでも経験的ですが)。例えば,
この道路は新しい産業を育成する可能性があります。しかし作らなければ交通渋滞が解消できません。もちろん「排ガス」や「建設費の増大」といった問題が懸念されますが。
この道路を造ると確かに「排ガス」や「建設費増大」といった問題が生じます。しかしこの道路を造らなければ交通渋滞が解消できません。さらにこの道路は,周辺の新しい産業の育成に大きく貢献するわけです。
だと,おそらく後者の方が説得力は増します(ただ責任逃れのためには,前者のような「危険性」や「例外」をたくさんあとから付け加えた方が安全なのですが)。
話をもとに戻しますが,前回の記事でも書いたように,ネガティブキャンペーンをする一方で,その問題点に対して私たちはこんな回答を持っていますという,丁寧な説明という方法を付け加える。こんな対応策はあったと思います。ネガティブキャンペーンか土下座かの選択ではなかったように思います。
ディベートの達人が教える説得する技術 ~なぜか主張が通る人の技術と習慣~
- 作者: 太田 龍樹
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2006/05/20
- メディア: 単行本