ビリー隊長が第3位: 楽から苦へ [マーケティング]
昨日電通が,今年上半期のヒット商品を発表しました。
単一商品ではなく,大半がカテゴリー(薄型テレビ)なので,ランキングとしてはどうなのかなと思うのですが,その中で,ビリー隊長でお馴染みの,ビリーズ・ブートキャンプが第三位にランキングしています。
詳しい記事はここ; http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070928-00000026-fsi-ind
かつては深夜が中心でしたが,最近は早い時間帯でもこのCMは見ることができます。昨日は隊長が2度目の来日を果たすなど,さらなるブーム拡大に余念がありません。
じつは私もこのDVDを購入し,入隊していたのですが,しばらく続けたあと中断しています。というのもすでに実践した方はご存じだと思いますが,とにかくしんどい。今年は猛暑だったこともあり,これを本気でやり続けると死ぬぞと思って中断した次第です。もう少し涼しくなったら再入隊するつもりですが…。
それはさておき,かつてのダイエット商品と言えば,「~するだけで」といった楽して効果を得よう,というものが多かったように思います。これはダイエット商品だけでなく,他の商品でもそのような傾向が見られました。例えば学習教材。30代~40代の方は覚えているでしょうが,かつて「睡眠学習」がブームでした。寝ているうちに英単語を覚えれますよという商品でした(じつは効果はないらしいのですが)。他にもスタイル矯正下着などは,本質的な改善ではなく,楽をして状況を変えよう(よく見せよう)という点では,同じカテゴリーのようにも思います。これを「楽勝系」商品と名付けましょう。
これに対して最近は,ビリーズ・ブートキャンプに代表される,それなりに苦労をして成果を手に入れよう,本質的な部分から改善していこうという本気モードの商品が人気のような気がします。これを「苦行系」商品とでも呼びましょうか。
例えばアシックスが開発した機能性下着「Be-Body」シリーズ(http://www.asics.co.jp/beauty/index.html)。これは表面的な矯正ではなく,姿勢を改善して本質的にスタイルをよくしていこうとするものです。
また学習面についても,「努力」を求める商品が増えているように感じます。古くは,杉村太郎氏が書いたTOEICやTOEFL対策本です。ポイントを絞った学習が幅を利かせるこの分野において,徹底して努力することの重要性と説いた本でした。
TOEICテスト900点・TOEFLテスト250点への王道 (Diamond basic)
- 作者: 杉村 太郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2001/06
- メディア: 単行本
またニンテンドーDS の学習系ソフトも,毎日コツコツ続けないとダメなものが多くなっています(まあこれは一度に長い間ゲームをしないよう配慮しているという部分があるのでしょうが)。
楽して成果を得ることはできない。このことは誰もが学習してわかっているはずなのですが,性懲りもなく何度も楽勝系商品を買ってしまいます。しかし,こうして苦行系が少しずつとはいえ人気が出てくるのは,私たち消費者に真の学習能力がついてきたのか,それとも楽勝系商品が増えすぎたので,それに対する差別化としての結果なのかわかりませんが。実際,今回のランキングでも第4位は楽勝系の乗馬マシーンですから。
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