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プレステ3の逆襲は無理? [ビジネスモデル]

ソニーのストリンガーCEOが,プレステ3の値下げに言及しました。http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/game/gamenews/news/20070615org00m300068000c.html

この記事を読む限りでは,プレステ事業の再浮上は難しいのではないかと考えます。ゲームに対する欧米消費者のメンタリティはわかりませんが,今のプレステ事業の不振は,少なくとも日本市場で考えると価格の問題ではないように思います。もし価格と絡めるならば,コストパフォーマンスが悪すぎるということでしょうか。

確かにAV機器として考えれば,プレステ3やPSPはハイスペックで低価格なのでしょうが,ことゲームについて言えば完全にオーバーシュートしています。毎日の買い物用の自動車が欲しいのに,ターボエンジンで,タイヤも太くて最高速度は180キロ。しかも安定性抜群ですと言われている感じです。

このハイスペック自動車でも買い物に行けますが,そこまですごい能力は必要ありません。それよりも燃費のよさや,買い物袋をたくさん積み込める,子供が乗っても安心といった別の機能を充実させてい欲しいわけです。

最大の問題点は,ハイスペックがゲームのおもしろさと直結していないところです。画像はきれいですし,処理速度も速くなっていますから,ゲームの中のキャラクターの動きは非常にスムーズです。映画のワンシーンを自分で操っているかのようです。しかしこの能力は必ずしもゲームの「おもしろさ」には繋がっていません。

逆に任天堂のWiiやニンテンドウDSは,スペックそのものはそれほど高くはありません。しかし,これらが提供するゲームや遊びの世界は非常に「おもしろい」わけです。これは単にソフトだけの問題でもありません。例えばWiiではみんなで投票というアンケートサイトにアクセスできるサービスがあります。これが非常によくできていて,2択の極めて単純なアンケートなのですがついつい引き込まれてしまいます。

スペック至上主義は,恐らく技術畑出身の久多良木体制が生んだ負の部分なのでしょう(ただ久多良木氏はそれを補って余りある正の効果を残しています)。

ソニーはこの「おもしろさ」を提供するビジネスモデルをもう一度考え直さないと,単に価格戦略をいじっただけでは再浮上できないのではと考えます。たぶん,今のプレステ3をゲームのおもしろさという価値から値付けするならば,1万円程度に思えてなりません。

こんな時代もあったのです。

ソニー・プレステ2が世界を変える

ソニー・プレステ2が世界を変える

  • 作者: 溝上 幸伸
  • 出版社/メーカー: あっぷる出版社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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