ランキング依存症 [マーケティング]
一週間ほど前の日経新聞に,ランキング依存症についての特集がありました。
家電量販店では,「売れ筋トップ3」というPOPをよく見ますし,テレビでも色々なランキング番組をやっています。私のような仕事をしていると,ランキングの「裏」を知っているので,逆にランキング上位の商品は敬遠したりしますが,一般の消費者はそうでもないようです。
昨日,ゼミ生とこの話になったのですが,その学生もランキングを購買行動の際の参考材料としているとのこと。とりわけよくわからない商品や高い商品にはその傾向が強いそうです。高いお金を払う以上,失敗したくないのがその理由だそうですが,どうしてランキングそのものを疑わないのでしょう?
データをねつ造しているとはいいません。しかし数字はいくらでも操作できます。5人の売上データでもランキングはできますし,従業員の家族の購買結果からもランキングは可能です。いつの時点で集計するかによってもランキングは異なります。
このような脆弱な根拠のもとになりたっているランキングに,なぜ権威が生まれ,それを盲信してしまうのか。1つは自分に自信がないからでしょう。日本では誤った個人主義が蔓延しています。本当の個人主義はアイデンティティの確立と,それを互いに認め合うこと。つまり自分自身の信念をしっかり確立しないといけないわけです。
ところが日本では,好き勝手することが個人主義と勘違いされ,肝心の自己の確立はおざなりです。自分の哲学がしっかりしていないのですから,不安なことやわからないことがあると人の意見を頼る=大衆化してしまうわけです。独裁者が出てくるのは,国が戦争で負けて国民が自信をなくしている時や不況が深刻なときです。
このブログでも時々言っていますが,やはり自分自身がしっかりとした意見や哲学を持ち,世の中のことを疑ってみる(よい意味でです)ことが大切だと思います。疑うということは,自分の頭で考えるということでもありますから。
という訳で,今回もまたこの本をお薦めします。是非ご一読下さい。近年まれに見る名著だと思います。
はじめまして。
いつも良く拝見させていただいています。
大変勉強になる内容が多く、面白いです!
これからも寄らせていただきます。
by ARROWS YOKOHAMA 仕入担当者 (2007-04-24 12:27)