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貧困とは? [ビジネス一般]

【毎日新聞:貧困率:06年時、日本15.7% 先進国で際立つ高水準--政府初算出】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091020dde001010069000c.html

私の場合,途上国のスラム街の映像が頭に浮かんでしまうので,いよいよ日本もとんでもない状況になっていると思ってしまいました。ただ記事を読んでみると,その「貧困率」それも正しくいうと「相対的貧困率」という数字の算出方法を読んでみると,もう少し冷静な議論がいるのではないかと感じました。

ここでいう貧困率とは,こんな風に算出されます。(読売新聞より引用)

国民一人ひとりの所得を順番に並べて、ちょうど中間の額の人を定め、更にその額の半分に満たない人が、全体でどれくらいいるかを示したもの。この際に用いられる「所得」は、等価可処分所得といい、所得から税金などを差し引いた世帯の可処分所得を、世帯の人数の平方根で割った数値となっている。貧困の水準を示す絶対的貧困率と異なり、国内の低所得者の割合を示す指標になっている。

これって本当に正しく貧困を意味しているのでしょうか。確かに格差を代表する指標ではありますが,「貧困」という言葉にはなんとなく違和感を覚えます。

貧困とは「貧しくて生活に困っていること」(大辞泉)

なのですが,そうなると単に所得の問題だけでなく,物価水準なども考えて議論しなくてはいけません。デンマークはこの貧困率が一番低いらしいのですが,その一方で物価は非常に高い。格差は小さいかもしれませんが,生活の苦しさという面では果たしてどうなのか。これはわかりません。

いろいろな記事を読んでいると,本当の貧困層は生活保護の対象となるような低所得層ではなく,実はその少し上の所得層だという説もあります。また格差を一方的に悪いと決めつける風潮もよくありません。がんばって伸びた人たちも大勢いるわけで,その成功者たちを萎縮させるようなことは社会全体の活力を維持するという面からも避けるべきだと思います。何かというと「金持ちから税金を取ればよい」という考え方は危険です。

デンマークの友人が話していましたが,デンマークでもがんばった人間が結局税金で多くを持って行かれ,働いていない人たちの福祉を支えることに少なからず不満が出ているそうです。かつて社会主義国家が陥った,働いても働かなくても同じなら働かない,という社会になってはいけません。

貧困問題は国家として取り組むべき重要な問題ですが,それだけに1つの方向からだけではなくもっと多様な角度からの議論が必要なのではないでしょうか。


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