エコポイントは絶好調：水野学　研究室通信：SSブログ

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エコポイントは絶好調　[環境問題] [編集]

エコポイントの申請が200万件を突破したそうです。

【日経新聞：省エネ家電のエコポイント申請、200万件突破】
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090915AT3S1500S15092009.html

またエコカー減税の影響もあり，プリウスの販売も絶好調。もう減税対象期間には納車できないほどだそうです。
【日経新聞：８月新車販売、プリウス首位堅持　減税など追い風】
http://car.nikkei.co.jp/news/article.aspx?id=AT1D0400C%2004092009

自動車業界はエコカー減税の延長を希望していると言いますし，当然エコポイントの延長希望の声も出てくるでしょう。誤解している人も多いようですが，これらの施策は環境対策ではありません。あくまでも景気対策を主眼として，エコを「切り口」としただけです。肝心のエコについては，廃棄物が増えてかえってエコにはならないのではないか，といの心配もあるぐらいです。

その一方で，明日発足すると思われる鳩山新政権が打ち出している重要施策については，非難囂々です。とくに経団連を中心とする経済界からは強い警戒感が打ち出されています。

【ブルームバーグ：経団連会長：温室効果ガスの削減は国民的なコンセンサスが必要】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=ap8tYbqsasWE&refer=jp_japan

たしかにこの目標値はとんでもない高いレベルであり，国民負担が３６万円増えるとの試算まで出ています。批判が出るのも当然かもしれません。

でもちょっと待っていただきたい。

ほんとうの環境問題

作者: 池田清彦
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2008/03
メディア: 単行本

産業界は事あるごとに「エコ」を売り物にしてきたのでは？　国民も地球温暖化を重要問題と考えてきたのではないのでしょうか。マスコミも某新聞社が氷山が溶け出して，街が海に沈むようなCMを使ってまで温暖化問題を煽ったのでは？　やはりエコ重視の姿勢は，なんちゃってだったのでしょうか。

本気で地球温暖化を防止したいのであれば，新政権が打ち出しているようなレベルでもまだ足りないことは明らかです。今やっているようなペットボトルのリサイクル程度ではまったく意味を持たないわけです。

やらないよりやった方がまし，という意見もあるでしょうが，このレベルでは燃えさかる山火事にバケツで水をかけているようなもので，本当に何の意味もないという指摘まであります。むしろ余計な経費がかかって予算をムダに使っているという場合もあります。

繰り返しますが，新政権の案はかなりラディカルなものです。しかし本気で環境問題に取り組むのであれば最低限のレベルでしょうし，これをきっかけとして社会のあり方，産業のあり方全体を見直さない限り根本的な問題の解決はあり得ないように思います。

中途半端は一番いけません。やるならやる，やらないならやならない。新政権への批判だけでなく，私たち自身も腹をくくる必要があるように思います。何でもお上に任せる時代は終わったのですから。