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プレステ3 ソフトで反撃 [ビジネスモデル]

ゲームのプラットフォームの優勝劣敗はソフトで決まる。

もう何世代も前のゲームから言われて続けていた言葉です。全世代のプレステ2が市場を制覇できた大きな要因に,それまでライバル陣営のキラーソフトであったドラクエとファイナルファンタジーの移籍があったことは,誰もが知るところです。

しかし三つ子の魂百までなのでしょうか。ソニーはどうしてもハード志向のビジネスモデルがが捨てられません。染みついてしまっているのです。プレステ3やPSPの苦戦と,それに対してのWiiやDSの大ヒットは,まさにハード志向とソフト志向の明暗が分かれたものとも言えるのではないでしょうか。

そのソニーもようやくソフトでの反撃を開始します。

【産経新聞】 http://sankei.jp.msn.com/entertainments/game/080522/gam0805221606000-n1.htm

ただ残念ながら,相変わらずの大作志向で,優れたハード性能を存分に生かそうとするものになるようです。ゲームは面白くてナンボです。美しさや細かな表情の再現を求めるユーザーは必ずしも多くないはず。ここでもハード志向の片鱗を見せています。

さて,この記事の中で私が注目したのはセガの取り組みです。膨大な開発費を抑えるために,入力されたセリフなどの音声に合致した口の動きや顔の表情を、CGのキャラに自動的につける機能を持つソフトを開発しました。この「しくみ」というか「生産設備」を開発することで,制作作業の短期化,簡素化を図ることができるとのことです。

ゲームに限らず,クリエーターと呼ばれる人たちはどうしてもこだわった仕事をします。そして時間も予算も大量に消費します。もちろんクオリティの高いものを作るためにはある程度は仕方ないのですが,やはり営利企業である以上は効率化も重要です。このような作業を効率化させる取り組みに着手するところに,セガの企業としての先進性を感じます。

職人仕事を否定するわけではありませんが,料理でも伝統工芸でも,機械化することで品質を維持しつつも効率化を図ることは十分可能です。むしろより高い品質の製品やサービスが実現するかもしれません。包丁で細かく叩くよりも,フードプロセッサーで細かく砕いた方が明らかによい仕事ができます。余った時間を,人間の手でしかできない作業の充実に回せばよいわけです。

人間の手作業だけでも,機械化だけでもダメ。あまり硬い頭で考えずに,もっともよいパフォーマンスを期待できる事業のしくみ作りが大切です。



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