鶏卵、相場低迷でも止まらぬ増産 [ビジネス一般]
物価の優等生といわれる鶏卵。その価格下落が止まらないようです。その大きな要因の1つが,大手生産者の増産,とりわけ過去の鳥インフルエンザの損失を取り戻そうと,東日本の大手生産者が増産を続けていることが全国的な卸売価格の低下を引き起こしているようです。
【日経新聞】 http://www.nikkei.co.jp/news/kakaku/column/
記事にもありますが,大手企業の煽りを受けた零細農家は,今後淘汰など深刻な問題に直面しそうですが,ただ私たちはこのようなニュースを読むと,しばしばステレオタイプの考えを持ってしまいます。
「日本の産業の99%を占める中小企業を保護しなくては」
「政府は大企業よりも中小企業に対してもっと手厚い支援策をすべき」
「中小企業の活性化策が大切だ」
選挙戦真っ只中の大阪府知事選でも,各候補は中小企業支援策を全面に押し出しています。大阪は中小企業の町だと言われていますので,ある意味当然かもしれません。
ただここでよく考えなくてはいけないことは,中小企業の実態です。例えば中小企業の半数以上は,下請型と呼ばれる企業です。7割以上がこのタイプに属する業種もあります。このような下請型中小企業を活性化させる一番の方策は,当たり前ですが大企業への支援です。大企業の生産が増えれば,中小企業へ回る仕事も増える可能性が高いからです(可能性としたのは,近年は必ずしもそれが通用しない面があるからです)。
大企業の景気がよくなると仕事が増えるのは,何も製造業だけではありません。例えばコンサルティング業界。本当であれば業績不振であるからこそ,企業のお医者さんであるコンサルタントを頼むのでしょうが,実際はクライアント企業の業績がよくなると,本業以外で使える予算が増えます。そこでコンサルタントの需要が増えたりするわけです。
自分たちで画期的な商品を開発し,ベンチャースピリットに溢れた経営をすることが理想的な中小企業像であるように思われがちですが,現実はそうではありません。そのような企業になるためには,いくつものハードルを越えなくてはならない企業が多数あります(むしろそちらの方が普通なのかもしれません)。
現実に即した,きめ細やかな中小企業論が必要です。そのためにはいつも言っていることですが,データをしっかりみて,分析する姿勢をもたないといけません。
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