出口調査 [ビジネス一般]
参議院選挙の投票日が近づいています。偉そうなことを言って立候補していながら,じつは3年間1度も投票したことがなかった東京選挙区の某女性候補もいますが,良識ある皆さんにはぜひ投票に行って欲しいものです。投票したい人がいないなど,わかったことを言っている人がいますが,世の中,ベストの選択肢などありません。経営でもそうですが,常にベターな選択肢の積み重ねです。並べられた代替案をよく吟味し,その中から1つをチョイスするしかないのです。
それはさておき,選挙につきものの出口調査。今日はこの精度について少しお話します。
出口調査とは,投票所前に新聞社やテレビ局から依頼を受けた調査員が,誰に投票したか,支持政党はどこかということを個別に調査するものです。私もかつてこの調査を受けてたことがあります。大都市圏ですが,非常に小さな投票所だったので,こんなところまで調査しているとは,かなり精度が高いのだなあと感心したものです。
近年テレビ局では,投票締切り時刻と同時に各党の獲得議席数予測を発表していますが,これが可能となっているのはこの出口調査結果の精度が高まったからです。
ところが,最近の選挙では期日前投票の数が大幅に増えているようです。
詳しい記事はココ: http://www.asahi.com/politics/update/0717/TKY200707170660.html
つまり投票日の前に,予め投票をすませている人が多くなっているということです。総務省が発表した中間報告では,13日~15日の3日間で,なんと70万人近くが投票しているというのです。最終的には1000万人が期日前投票をすると予想されており,投票総数に占める割合が非常に大きくなっています。
当然ですが,期日前投票所では出口調査がなされていません(たぶん)。そうすると最終的な投票結果予測を変動させる大きな要因がカバーされていないということになります。かつてしばしば見られた,当選確実マークがでた数時間後に,じつは落選でしたという光景が復活するかもしれません。
あまりに誤報が多すぎるとテレビ局は総務省からお叱りをうけてしまいますので,今のようなスピードを競うような選挙特番がなくなっていくことも考えられます。新しい出口調査の方法が必要になってきています。マーケティング調査をビジネスとしている企業にとっては,新しいビジネスチャンスかもしれません。
ただ選挙は競馬のようなギャンブルではありません。事前予測だの,当落予測だのといったバラエティ的な要素に振り回されず,私たちはしっかりと行動しなくてはいけません。
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