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間違いだらけの個人情報保護 [ビジネス一般]

総務省が,中央省庁の幹部職員を対象とする出身地や職歴など略歴の公表基準をまとめて,各省庁に通知したそうです。個人情報保護法の施行以来,省庁ごとでバラバラであった官僚の個人情報公開基準を統一するためです。http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007052201000567.html

どうも近年,「個人情報保護」が間違った使われ方をしているように思えてなりません。公務員や企業の不祥事が発覚すると,「個人情報保護の観点から詳しいことは申し上げられない」。某大臣のナントカ還元水問題でも,「領収書の公開は個人情報の問題が……」。 困ったことがあると個人情報を盾に,情報公開を拒んできます。なにやら環境問題と同じ構図です。

行き過ぎた個人情報保護に警鐘を鳴らしている文献も出ています。

個人情報「過」保護が日本を破壊する

個人情報「過」保護が日本を破壊する

  • 作者: 青柳武彦
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2006/10/17
  • メディア: 新書


ビジネスの世界でも,ダイレクトメールやマーケティングリサーチの分野ではこの個人情報保護法の影響が大きくなっています。営業マンも顧客データ管理,維持が大変難しくなってきています。また国勢調査でも,個人情報への関心が高まった影響からか,回収率が大幅に低下しています。

確かに,勝手に自分の情報が売り買いされ,突然ダイレクトメールが送りつけられてくることは気分のよいことではありません。一方で情報とは社会全体の財産でもあります。情報を正しく使うことで,よりよい社会を実現させることも可能です。なんでもかんでもダメではいけません。

ここまでいびつな個人情報保護が日本で広がった背景には,企業の弱腰があります(企業に限りませんが)。とにかくトラブルを避けたい。この一心で,情報収集や情報管理に臆病になっています。例えば,個人情報であったとしても個人を特定することができなければ,その収集や使用には問題はありません。アンケートに答えることをやたらと嫌がる人がいますが,氏名や住所など,その個人を特定できる情報と,年収や家族構成などのデータを一致させることができなければ別になんの問題もないわけです。無記名アンケートを堂々とやればよいのです。

また先に触れた国勢調査に至っては,明確に個人情報保護法の対象外となっているわけですから,調査員ももっと強気に出ればよいのです。よりよい日本社会を作るためには,情報収集と分析は不可欠なのですから。

日本のように資源のない国は,情報をうまく活用していかなくてはいけません。個人の安全や財産を脅かすような情報収集に協力する必要はまったくありませんが,意味のある目的のためには私たちも積極的に情報提供をすべきだと思います。つまり,環境問題と同じで「○○問題」でひとくくりにするのではなく,1つ1つ個別に判断する姿勢が大切なのです。


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