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後ろに座る学生、教員に厳しく自分に甘く [大学マーケティング・シリーズ]

今日からまた授業が再開です。

最近は大学でも顧客満足を意識してか,学生に対する授業評価なる調査が行われています。本務校は私学なのでとくに驚きもしませんが,昨年度非常勤で教えていた某有力国立大学でも,同じような調査を行っていました。独立行政法人化の影響はこんなところでも出ているわけです。

もちろん,私はこのような調査を行うことは歓迎していますし,授業の内容や教え方を改訂する上でも参考にしたいと思っています。しかし,この手の調査に慣れていない大学では,調査項目も分析方法もひどいものです。本当に授業に問題があるのか,単位認定が厳しくて学生から敬遠されているのかすら判断できない場合が少なくありません。

そのような中,朝日新聞に面白い記事が載っていました。授業評価は,後ろに座る学生ほど厳しめになるというものです。http://www.asahi.com/life/update/0504/TKY200705040176.html

この記事が指摘しているように,座る場所と成績の因果関係はどちらが原因で,どちらが結果かはまだよくわかりませんが,非常に興味深い調査だと思います。自分たちの授業評価において,これまで経験的になんとなくそうではないかなと思っていたのが,まさに成績と評価の相関です。人情として,高いスコアが取れそうな授業に対しては甘めの評価となるのは当然です。

ところが大学の授業評価では,このような単純な項目の相関を見ることもできないのです。これではいたずらに学生に迎合し,本来の目的である授業の質が低下するという事態を招きかねません。

よい調査とは,次のアクション・プランに繋がる結果を導き出してくれるものであり,大きな方向性を示してくれるものです。そのためには,きちんとした仮説,慎重な調査と分析。これが不可欠です。

※マーケティング・リサーチについて,本格的に学びたい人はこれがオススメ。とくにビジネス・スクールで学びたいと思っている人は,このようなリサーチメソッドをしっかり身につける必要があります。本を買うことはコストではありません。自分への投資です。

リサーチ・デザイン―経営知識創造の基本技術

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  • 出版社/メーカー: 白桃書房
  • 発売日: 2006/12
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