ムーブ!が終了 [エッセイ]
【朝日放送 ムーブ! http://asahi.co.jp/move/】
まあ見たことがない人にいくら説明しても伝わらないと思いますが,平日の午後4時頃から6時までという一般的に主婦向けといわれる時間帯に,極めて硬派な報道を中心とした番組を提供していました。
例えば今では多くの人が騒ぎ出した社会保険庁の問題について,その口火を切るような不正免除問題をスクープしたり,NHKの看板番組であったプロジェクトXの打ち切り原因となったねつ造事件を指摘するなど,数々の権力者の不正や社会問題を指弾してきました。
【詳しくはWikipediaを http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%96!】
また硬派なネタだけでなく,エンターテイメント系の情報もひと味変わっていました。例えばグルメコーナーとして飲食店を紹介するのですが,そのお店の場所や連絡先はもちろん,外観すらもモザイクをかけて写さず,ヒントだけ教えるという「知られてたまるか」など,まさに「クセのある」番組作りでした。
その一方で,誤報や普段の言動とは裏腹に,自社の不祥事については匿名報道を行い批判を浴びるなど,何かとお騒がせ番組でした。
ただ,私はこの番組が大好きでした。もちろん平日のこの時間帯なので,リアルタイムで見ることはできませんから,すべてビデオにとってその日の夜や休日にすべて見ていました。それぐらいの価値がありました。
今,放送業界,とりわけ報道番組は岐路に立っているように感じます。本来は権力の監視役でありながら,その取材対象から発表される資料を,それも横並びで報道したり,ある新聞社の最高権力者のように権力そのものに介入したりして,その役割をまったくといっていいほど発揮していません。
それに対して関西ローカル局が作ったこの番組は,まさに報道の原点を取り戻そうとするような熱い取り組みでした。その番組が,「いろいろな」理由で終わってしまうことは,また一つ放送局のダイナミズム,復活の原動力を失ったように思えてしまいます(「いろいろな」理由については,前述のWikipediaなどを参考にしてください)。
定額給付金の使い道 [エッセイ]
さて,皆さんはどのような使い方をされるのでしょうか。
使い道の候補として,2つほど興味深いものがありましたので紹介します。
一つは,先日の記事のコメント欄にあったのですが,日本が先端を走っていたのにやばい状態になっているiPS細胞の研究開発に関するものです。コメント欄にあるのは,定額給付金をやめ,その分をiPS細胞の研究費に回すように署名して欲しいというものです。ただ現実的にできるかどうかわかりませんが,たとえばこの研究の中心である京都大学山中教授チームに,寄付するという方法もあるかもしれません。
ご存じない方は,是非WikiPediaなどで調べてみて欲しいのですが,iPS細胞研究は日本にとって極めて大切な知的財産です。
もう一つは,コラムニストの勝谷誠彦さんや、早稲田大学の重村智計さんたちが呼びかけている,ニューヨークタイムズへの意見広告に関する募金です。北朝鮮に拉致された同胞を救出するためにはアメリカの協力が欠かせません。その環境作りをするために,定額給付金を使ってNYタイムズへを意見広告を出そうという取り組みです。(詳しくはhttp://jinken.asia/ を見てください)
おそらく,このような取り組みは定額給付金の支給が本決まりになると,もっと色々出てくるかもしれません。せっかくの定額給付金。有意義に使いたいものです。誇りも持ちながら。
野茂の引退 [エッセイ]
【日刊スポーツ】 http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20080718-385082.html
第一号ではありませんが,現在の日本人メジャーリーガー急増の礎を築いたのは間違いなく野茂選手の功績です。日本でプレーするつもりがあれば,声をかける球団も複数あるでしょうが,あえて引退の道を選択したのでしょう。
近鉄時代から科学的なトレーニングを取り入れたり,代理人制度の導入を主張したりと,旧態依然とした日本プロ野球界において先進的な取り組みをしてきました。それが数々の誤解を招いたのかもしれませんが,批判されるべきはむしろ球団のほうだったのかもしれません。
実際,批判された野茂選手はアメリカで高い評価と優れた実績を残しましたが,厳しく批判してきた近鉄球団は消滅しましたし,彼のトレーニングや調整方法を認めず,自分のやり方を強制してきた当時の監督は,それ以来指導者としての声が一切かからない状態です。
このあと,彼がどのような取り組みをするのかわかりませんが,是非日本で次の世代を育てるような活動をして欲しいと思います。高校野球からプロ野球までつながる現在のシステムとは違った,彼だからこそ,そして彼にしかできない新しい選手育成のしくみを作ってもらいたいなあと思います。
それにしても,記事にもありますが引退について「悔いが残る」というコメントが,彼らしくて非常に感動しました。何とかの一つ覚えのように,スポーツ界では「楽しむ」だの「完全燃焼」だのという軽い言葉が出てきますが,本当にそのスポーツが好きで,真剣に取り組む人はきっとこのような思いで競技から去るのでしょうね。
ガソリン税再増税 モノを考えなかったツケ [エッセイ]
結局のところ,でたらめな使い方については何の方策も決まらず,それどころか一般財源化の約束も明確に担保されないまま再増税となりそうです。これはガソリン税廃止前よりむしろ状況は悪くなっているとも言えます。
ただ,このような衆議院での2/3ルールを使って再議決が行われる遠因は,小泉内閣時代のいわゆる郵政選挙で,多くの日本国民がモノをよく考えずにあれだけ多数の議席を与えてしまったことにあります。正確に言えば,郵政民営化の賛否を問う国民投票に過ぎなかった選挙であったにも関わらず,そこで得た議席を未だに保持し続ける与党に責任があるのでしょう。しかし,それは少しでもモノを考えていればわかること。いくら選挙テーマがそうであったとしても,そこで得た議席は議席。他の主張も支持されていると見做すということはわかるはずです。
また後期高齢者医療の問題についても批判が噴出していますが,これを決めたのは他ならぬ多くの国民が大多数の信任を与えた小泉内閣なわけです。それを今になって…という気がしてなりません。責任はやはり国民自身がとらなくてはなりません。
これは政治に限らず,すべての面において言えることだと思いますが,人はしばしば近視眼的,そして感情的にモノをとらえがちです。しかしすべてとは言いませんが,大切な問題についてはもっと大局眼的,論理的思考を持つ必要があります。つまり短期的にはいかがなものか,と思えることでも長期的に考えるとよいこともたくさんあります。そのときは短期的な問題には目をつぶる必要があるわけです。
昔の人はうまいことを言ったもので,人は常に「鳥の目」と「アリの目」が必要なのです。この2つの目を上手に使いこなせる人が本当に賢い人だと私は思います。
さて,皆さんはガソリン税の5月1日再増税についてどのようにお考えですか。
今日で丸一年 [エッセイ]
誰も読まないだろうと思って適当に(?)書いていたのですが,予想以上にアクセスを頂いております。またコメント欄のみならず,私のホームページを発見していただいて,そこに記載してあるメールアドレスへもたくさんのコメントを頂戴いたしました。
阪神大震災から13年 [エッセイ]
またこの日がやってきました。震災で亡くなられた方々には,改めてご冥福をお祈り申し上げます。
以前も書きましたが,私は当時,大阪市内に住んでいました。震度4ぐらいなので,被害が甚大だった地域に比べればたいしたことはなかったのですが,天井と床か互い違いに動いていくという,今までにない恐ろしい体験をしました。動物の本能なのかもしれませんが,なぜか地震発生の5分ぐらい前に目が覚めていたのですが,必至に食器棚を抑えながらその恐ろしさに耐えていたのを,今でも鮮明に覚えています。
学力低下の原因 [エッセイ]
最近,日本人の学力が低下を危惧させるようなデータが次々に出てきています。ゆとり教育によって,いわゆる詰め込み型の知識が低下しているだけでなく,OECD(経済協力開発機構)が実施したPISA(国際学習到達度調査)の結果が示すように,本来ゆとり教育が目指していた,考える力や知識を活用する力も先進諸国の平均値よりも低いことになっています。
亀もルールやマナーは守りましょう [エッセイ]
日曜日に九州から帰ってきたばかりですが,今日は仕事で東京でした。ただでさえ苦手な飛行機。こう続くと体がおかしくなってきます。
そんな嫌いな飛行機の中。今日は携帯電話の電源を切らない人が,客室乗務員から注意されている光景を
ミャンマー動乱 [エッセイ]
このブログはビジネスがテーマです。ですから政治的な問題はあえて避けるようにしているのですが,今のミャンマー動乱に対する日本の動きの鈍さに我慢がならず,ついつい書いてしまいます。
ミャンマーでは特別な存在であるお坊さんが撃たれているというだけでも,あの国はは異常事態です。軍事政権の最大の援助国である日本は,もっとモノを言うべきです。自分たちが直接的に関与している事案にさえモノを言えない政府が,何がテロ特措法で国際貢献なのでしょうか。
百歩譲って(譲ってはいけないのですが),ミャンマー国内問題だけであれば,それも許されたでしょう。しかし,ついに私たちの同胞が撃たれたのです。それも流れ弾ではなく,至近距離から「射殺」された疑いが濃厚なのです。自国民が他国の軍隊に射殺されて,それでも動かない政府は一体何なのでしょう。
マスコミも問題です。環境問題を煽ることもよいでしょう。まだ施政方針演説もしていない総理大臣の支持率という「空想話」を取り上げることもまあ許しましょう。しかし,このようなもっと大切なことをどうして論じないのでしょう。空想話や,政治資金の記載ミスを一面で騒ぎ立てるのであれば,もっともっとこの問題の重要性を国民に伝えるべきです。
この問題はアジアの,それもすぐ近くの国の問題です。国際貢献や地球を守るということは,このような近くの国の,目の前にある,そして非常に深刻な問題にきちんと関与するということだと私は思います。