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デンマークの食品スーパー [Denmark]

今日はデンマークの食品スーパーのお話です。

こちらにもチェーン展開している食品スーパーがいくつかあります。そして日本と同じように,各チェーンがそれぞれ個性的な店舗運営をしています。例えば日本で言えば成城石井やイカリスーパーにあたる高級スーパーを展開しているIrma,サミットや関西スーパーのような普段の食材を高品質で提供するSuperBestやFøtex,ダイエーのように低価格で勝負するNettoや,さらにディスカウント色の強いfaktaなど多種多様です。

ただ日本に比べると鮮度管理や売場作りのレベルがまだまだ甘く,土曜日の閉店間際(デンマークではほとんどのスーパーが日曜日はお休み)には肉類が70クローネ(約1400円)から20クローネ(約400円)に値引きされるなど,本当に利益が出ているのかと思わせるようなすごい在庫管理です。

それよりももっと面白いのが,店頭での販促活動。以前このブログでマッテオ・モッテルリーニ著『経済は感情で動く』(紀伊國屋書店)という行動経済学の入門書を紹介しましたが,その本で書かれているような事例が,まさに教科書どおりに展開されていて,なかなか興味深いです。


経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

経済は感情で動く―― はじめての行動経済学

  • 作者: マッテオ モッテルリーニ
  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2008/04/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





こちらでは何%ディスカントという手法はあまり用いられず,パック売りによる値引きが主流です。例えばワインの販売。こちらでは3リットル入りの紙パックがお徳用として人気なのですが,その特売方法が凄まじいのです。1パック99クローネ(約1980円)の商品が,なんと3パックセットで198クローネ(約3960円)という売り方をしているのです。要するに1パック分値引きです。

一見すると凄そうですが,よく考えると約33%引きなのですよね。これぐらいの値引きは,特売商品ならそれほど驚くべきものではないわけです。しかし前述の本でも指摘されているように,人間は35%引きと書かれるよりも2パック分の値段で3パック買えるよ,と言われた方が購買意欲が増します。実際私も,買おうかどうしようか大いに迷いました。同じようにワインパックの前で,じーっと悩んでいるデンマーク人が何人もいました。

私は結局断念したのですが,その理由は簡単。車ではないので9リットルのワインを担いでいくのはどう考えてもしんどいから。実際来店客の大半は徒歩なので,売れているのかどうなのかは不明です。そのようなちょっと抜けている部分もありますが,なかなか楽しい店頭観察です。

それにしても,9リットルのワインを買って行った人は,果たしてそれをどのくらいの期間で消費するのでしょうか。少なくとも国民1人あたりのビール消費量については世界トップ20に入っている,世界有数の飲んべえ国ですから。



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デンマークのペット事情 [Denmark]

こんな記事を見つけました。

【東京ウォーカー 月に10万円以上も!ペットに“貢ぐ”女性増加中】
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090509-00000006-tkwalk-ent

パナソニックがペットを飼っている300人に対してアンケートを行った結果,約半数がペットに対して月5千円~2万円程度をかけていると回答したそうです。さらに5%強の人たちは,10万円以上使っても構わないと答えているそうです。すごい消費意欲です。

また記事の中では,
「ペットの存在とは?との質問には、7割以上が「家族の一員、兄弟・子供のような存在」と回答。そのほか「癒し・安らぎ」や、「恋人のような存在」、中には「運命共同体」、「自分の命に代わるもの」という答えも。ペットに家族以上の愛を抱いている人も多くいるようだ。」
とあります。なるほど,町を歩いてみてもペットをまるで人間のように扱っている人をよく見かけます。提供されるペット向けサービスも,おそらく世界屈指の質と量ではないかと思います。

さてここデンマークでもペット,とくに犬を飼っている人をよく見かけます。デンマークでは電車の中に連れて乗ることもOKらしく,時々みかけます。それも小型犬ではなくシェパードなど結構大きな犬も乗っています。

さてデンマークのペット(犬)たちを見ていて驚くのが,とにかくよく躾けられているということ。電車の中で吠える犬がいないことはもちろん,人が通ろうが,大きく電車が揺れようがほとんど動揺することなくおとなしく伏せています。

またペットを連れてはいることができないスーパーや食料品店などでは,彼らはちゃんとお店の前でお座りをして飼い主を待ちます。中にはリード(つなぎ止めるひも)なしにも関わらず,きっちりとお店の前にとどまっているものもいます。本当に驚くほどです。相当過酷な訓練を受けてきたのだろうなあと,少し同情してしまうぐらいのおとなしさです(啼かないことについては,ひょっとして何らかの手術をされているのかとさえ思ってしまいます)。

さて日本ですが,残念ながら躾けに関しては,決して先進国とは言えないように思います。とくに周囲への迷惑行為(吠えるとか,他人を威嚇するとか)については,飼い主は非常に甘いのではないでしょうか。親子関係と同じく,ペットのことを考えればちゃんと躾をすることは大切なことのように思います。その方が,そのペットも他の人から愛してもらえるわけですから(ただこれは昨今の人間の親子関係を象徴しているのかも…)。

ペット市場が大きくなる一方,殺処分されるペットの数は日本が先進国ではダントツであるという統計もあるそうです。溺愛するだけでなく,本当の意味での家族として大切にしてあげて欲しいなと思います。
タグ:ペット
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デンマーク便り [Denmark]

久々の更新です。

現在私は,研究のためにデンマークにいます。せっかくですので,デンマーク生活やここで気づいたことを時々お話してみたいと思います。とは言え,一応ブログのコンセプトも踏まえて経営やビジネスに関することを中心にしますが。

最初はデンマークの物価についてです。ご存じの通り,デンマークは高福祉・高負担ですから,税金は驚くほど高く設定されています。給与に対する直接税はなんと50%,そして日本で言うところの消費税が25%と高額です。

そのため物価は非常に高く,朝食に日本でも有名なデニッシュと呼ばれる菓子パン2つと,コーヒーを買うと,それだけで600円ぐらいしてしまいます。1年ぐらいまでの為替レートに比べると,今は円が少し強くなっていますからまだましですが,生活は大変です。

日本は世界一物価が高い国,なんて呼ばれていたのは遠い昔のことで,あのデフレ時代と最近の経済状況を経て,日本の物価はかなり下がっていることをひしひしと感じます。

もう1つ驚いたのは,デンマークにおける保護主義的な取り組みです。デンマークでは,自国商品に比べて輸入品の値段がかなり高くなっていることが少なくありません。例えばオレンジジュースですが,私が入ったスーパーマーケットでは,国産(正しく言うと国内で製造したもの)と,海外からの輸入品ですと2~3倍近い価格差があります。

またクレジットカードについても,保護主義的な取り組みをしています。デンマークではクレジットカードでの支払いが進んでおり,本当に小さなお店でもクレジットカードの読み取り機械が設置されています。

しかし多くのお店(とくに飲食店)では,外国のクレジットカードを使うと正規料金以外に手数料を上乗せされてしまいます。例えば同じVISAカードでも,デンマークVISAと日本VISAやアメリカVISAでは料金が変わってくるということです。

まあ日本やアメリカのカードに対しては仕方ないかなとも思うのですが,Eurocardというおそらくユーロ圏内で流通していると思われるカードに対しても,同じような措置がとられいます。ユーロ圏内では参入障壁になるような取り組みをしてはいかないと思っていたので,これは以外でした。

日本の中にいると,グローバル経済が進むと日本固有のやり方や,保護主義的な動きはどんどん削減されていかなくてはならないかのように信じ込んでしまっていますが,実際に海外生活を実感してみると,それは必ずしも正しくないということがわかってきます。あくまでも国益を守るという前提を踏まえての国際化なのです。

このブログでもちょくちょくお話ししていますが,やはり情報は足で稼いでいかないとだめですね。
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