グーグル「ストリートビュー」に違法判決 [ビジネスモデル]
一時期物議を醸していたグーグルのストリートビュー問題。その第二幕とでも呼ぶべきでしょうか。
スイスの裁判所がグーグルのストリートビューを「違法」と判断。掲載するにあたっては顔やナンバープレートにボカシ処理をしないとダメだと命じました。
興味深かったのはこのくだり。
G社「完全なボカシには費用がかかり,結果的に利用者の利益を損ねる」
判決「無料にすることはグーグル社の利益であって,利用者に課金することも不可能ではない」
ネット企業は「利用者の利益」もっと言えば「公共の利益」を掲げますが,裁判所は「それは要するに自分たちが利益を上げるための方便だろう」と断じたようにも思われます。
知らない場所に出かけるとき,このストリートビューは大変重宝します。デンマーク滞在時はこのサービスのおかげで,はじめて訪れる国のホテルも簡単に見つけること(事前に頭にインプットしておくこと)ができました。
ネット社会は「パブリック」や「社会福祉(Social Warefare)」の概念が結構重要になります。ただ今まで一般的に使われている意味合いとは若干違うので,そのあたりのコンセンサスが今後重要になってくるように思います。
ネット社会で今までのような「個人の権利」を主張することはネットの価値を半減させますし,そもそもそれを完全に保護することは無理。だからといって従来の意味での「パブリック」を振りかざすと,大きな損失を受ける人もいる。なかなか難しいけれども,興味深い問題です。
ネット社会の未来像 (神保・宮台激トーク・オン・デマンド (3))
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グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
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2011-04-06 12:26
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