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大学生の就職難報道に異議あり [ビジネス一般]

昨日は大学生の就職率に関する報道が,洪水のように流れていました。

【就職内定率:大卒内定率、最低68.8% 短大45.3%--先月時点】
http://mainichi.jp/life/job/news/20110118dde001020006000c.html


いつものように,「大変だ大変だ」と煽り立てるのが大好きなマスメディアは,最後は社会全体の問題点,そして若者を取り巻く閉塞感というオチに持って行きます。でも本当にそうなのでしょうか。

例えば,あるニュース番組で100社以上応募して全部落ちてしまった学生が取り上げられていました。もちろんそのオチは「これでは若者は自分が社会から必要とされていないと思ってしまいますよね」という,社会批判と学生の擁護です。

ただこのような状況が,別の状況で起きたらどうでしょう。例えば営業先として100社訪問したが1社も仕事がとれなかった,100校受験したが1つも合格しなかった。こんな状況でまず疑うのは,その人の基本戦略ではないのでしょうか。実力や適性に見合ったところを狙っているのか,アプローチや努力の仕方が方向違いではなかったのかなど,まずはその人自身の動き方を点検するのが普通だと思います。

実際にそのニュースの最後には「今後は中小企業にも対象を広げて活動するそうです」というコメントがついていました。ということは採用を絞り込んでいる大企業ばかりを狙って,人手不足が深刻な中小企業はほとんど受けていなかったという戦略ミスがあったのです。

それに「今後は中小企業を~」という,企業を規模でしか判断していない姿勢も問題です。きちんと企業分析をせずに,有名であるとか規模が大きいとかで判断し,中小企業を下に見ている態度。面接を経験された人であればわかると思いますが,そういう考え方は口に出さなくても態度に出てしまいます。

就職活動が厳しいことは,もちろんわかっていますが,その責任の多くを社会に押しつけることは学生にとって決してよいことだとは思いません。手厚いフォローも大切ですが,学生の戦略,考え方の甘さもしっかりと指摘することも一方でやるべきだと思います。

そもそも就職率を議論するのなら,常に大企業だけでなく,中小企業も含めた求人倍率のデータとセットで報道すべきでしょう。よい学生を欲しがっている中小企業は本当にたくさんあります。よい人材さえ入ってくれれば,大きく飛躍できるのです。

経済だけでなく,精神面でのデフレスパイラルも進行しているように思えてなりません。不安を煽るのではなく,変化や上昇の兆しをもっともっと報道すべきだと思います。



この国を出よ

この国を出よ

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/29
  • メディア: 単行本



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