トヨタ リコール問題(1) [ビジネス一般]
問題の概要については改めて書く必要はないかと思います。
異国の地からなので,少ない情報の中からの感想なのですが正直驚いています。それはトヨタが大量のリコールという問題そのものではなく,その後の対応のあまりに稚拙さにです。
これまで多くの企業が問題を起こし,その度に危機管理や不祥事への対応方法の重要性が叫ばれてきました。そしてそれらの事例をもとに,多くの企業とくにグローバル企業はその対応方法を学習していたものと思っていました。
しかし今回のトヨタの対応は,私のような素人にもその稚拙さがわかってしまうほどのお粗末なものです。とくに先日行われた豊田社長の会見です。
まずはタイミング。外資系メーカーに勤めている友人に聞いたことがあるのですが,問題が起きたらとにかく社長が出てきて説明する。それも危機管理の専門家のアドバイスをうけて,それこそネクタイの選び方,表情の作り方まで入念にチェックをして出て行くそうです。トップである社長が出て行き,とにかく憶測や不安を打ち消す。鉄則だそうです。これに対してトヨタ本社の社長が出てきたのはあまりにも遅い。遅すぎです。
次にその内容。謝罪はありましたが,そのあとの何をするのかという具体策の提示がありませんでした。もちろん品質管理に関する部署(外部委員会)を作るというのはありましたが,ここで言うべきことはリコールの有無以外ありません。その肝心の部分は検討中なのに,なぜこのタイミングで出てきたのでしょう。謝罪をするということはこちらの否を認めること。否を認めているのにどうしてリコールはしないのか。少なくとも欧米人たちは不思議でしょうがないと思います。
私も経験したことがありますが,欧米の人たちは自分たちに否がないと思えば,いくら顧客に迷惑をかけていたとしても絶対謝りません。その代わり,その迷惑や不都合を解消するための具体策を提示します。日本では「まず謝る」が文化としてあるわけですが,グローバルでは通用しません。このことはすでに何十年も前から言われていることだと思うのです。
最後に弱々しさ。このような問題に関して社長が記者会見をやる1つの目的は,ユーザーや投資家たちの不安を解消すること。「心配するな。大丈夫だ」。このムードを作らないことにははじまりません。残念ながら豊田社長の記者会見からは,それは伝わってきませんでした。
あの内容ならば,わざわざあのタイミングでやる必要はなかったのではないでしょうか。漠然とした内容の会見ならば、問題が発覚してすぐにやるべきでしたし,タイミングを逸したのならばリコールなど具体策を固めてから出てくるべきです。すでにニュースで出ているように,週明けにはリコールをやることはほぼ確定的だったわけですから。
少なくともトヨタは危機管理については,グローバル企業ではないことだけは明らかになってしまいました。
異国の地からなので,少ない情報の中からの感想なのですが正直驚いています。それはトヨタが大量のリコールという問題そのものではなく,その後の対応のあまりに稚拙さにです。
これまで多くの企業が問題を起こし,その度に危機管理や不祥事への対応方法の重要性が叫ばれてきました。そしてそれらの事例をもとに,多くの企業とくにグローバル企業はその対応方法を学習していたものと思っていました。
しかし今回のトヨタの対応は,私のような素人にもその稚拙さがわかってしまうほどのお粗末なものです。とくに先日行われた豊田社長の会見です。
まずはタイミング。外資系メーカーに勤めている友人に聞いたことがあるのですが,問題が起きたらとにかく社長が出てきて説明する。それも危機管理の専門家のアドバイスをうけて,それこそネクタイの選び方,表情の作り方まで入念にチェックをして出て行くそうです。トップである社長が出て行き,とにかく憶測や不安を打ち消す。鉄則だそうです。これに対してトヨタ本社の社長が出てきたのはあまりにも遅い。遅すぎです。
次にその内容。謝罪はありましたが,そのあとの何をするのかという具体策の提示がありませんでした。もちろん品質管理に関する部署(外部委員会)を作るというのはありましたが,ここで言うべきことはリコールの有無以外ありません。その肝心の部分は検討中なのに,なぜこのタイミングで出てきたのでしょう。謝罪をするということはこちらの否を認めること。否を認めているのにどうしてリコールはしないのか。少なくとも欧米人たちは不思議でしょうがないと思います。
私も経験したことがありますが,欧米の人たちは自分たちに否がないと思えば,いくら顧客に迷惑をかけていたとしても絶対謝りません。その代わり,その迷惑や不都合を解消するための具体策を提示します。日本では「まず謝る」が文化としてあるわけですが,グローバルでは通用しません。このことはすでに何十年も前から言われていることだと思うのです。
最後に弱々しさ。このような問題に関して社長が記者会見をやる1つの目的は,ユーザーや投資家たちの不安を解消すること。「心配するな。大丈夫だ」。このムードを作らないことにははじまりません。残念ながら豊田社長の記者会見からは,それは伝わってきませんでした。
あの内容ならば,わざわざあのタイミングでやる必要はなかったのではないでしょうか。漠然とした内容の会見ならば、問題が発覚してすぐにやるべきでしたし,タイミングを逸したのならばリコールなど具体策を固めてから出てくるべきです。すでにニュースで出ているように,週明けにはリコールをやることはほぼ確定的だったわけですから。
少なくともトヨタは危機管理については,グローバル企業ではないことだけは明らかになってしまいました。
あの品質管理のトヨタがどうしたんでしょうね。
それにしても、常務も社長も、あの会見はお粗末でした。
こういう時こそ、企業、企業のトップのあり方が問われると思います。
出荷を停止するぐらいの思い切ったことをすれば、逆に評価が上がると思います。
数年前の松下電器の対応を思い出されます。
by nhama (2010-02-09 10:49)
nhamaさん
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
今回のトヨタの対応は衝撃的でした(苦笑)。
このお粗末な対応の理由に対する私の仮説が、今日の記事です。またご意見下さい。
by ドクター (2010-02-09 22:25)