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オリンピック招致 東京敗北の原因は [Denmark]

残念ながら,東京は選ばれませんでした。

リオデジャネイロはよかったですね。南米初の開催で,FIFAワールドカップに続けてのビックイベントの招致成功です。中国,ロシア(冬期),そしてブラジルと,経済が急成長している国々の力を見せつけられる最近のスポーツ事情です。

さて運良く現地にいますので,現地ならではの報告を。

コペンハーゲン市庁舎前の特設会場で決定の瞬間を見ていましたが,発表前からもうリオデジャネイロのムードが漂っていました。発表直前には,シカゴや東京も含めて各候補地のプロモーションビデオ(都市紹介)のダイジェストが流されていたのですが,リオデジャネイロのときは大きな拍手が巻き起こっていました。

それに引き替え日本のビデオの時は…。拍手はほとんどありませんでした。最初に落選したシカゴでも拍手がパラパラ起きていたのに,なぜなのでしょう。

なんとなくここに敗北の理由の1つがあったように思いました。
まったく同じものではなかったのですが,ほぼこれに近いものが会場では流されていました。



じつはこれを見ていて,日本人である私はなぜか涙がじわーっとでてきました。なんでだろうと考えたのですが,たぶん「ああ日本だ」と懐かしく感じたのだと思います。日本を離れて半年,ホームシックはなぜか全くないのですが,やはり日本人として日本らしい風景を映像で見ると,じーんと来るものがあります。

でもデンマーク人からは拍手が起きない。どうしてだろうと思っていると,後ろにいた男性が「スシとゲイシャか」と言って笑っていました(会場で流れたものには舞妓さんか芸子さんが舞を踊っている映像もありました)。この笑いは蔑みではなく,ああまたかみたいなものでした。

そこでふと感じたのが,なるほどものすごいステレオタイプの日本の映像だから,私はじーんときて,デンマーク人には苦笑いなのかもしれない,ということです。以前もお話ししたように、デンマークにはたくさんの寿司屋があり,日本=寿司のイメージはしっかり根付いています。もちろん着物やゲイシャ,あと大学のスタッフなどは茶道の体験まであります(ちなみに教員食堂には丸印に「茶」と書いた缶に入った緑茶まであります)。意外と日本文化は知られています。

そんな中でのこの映像では,日本に対する新しい発見は何もなく,インパクト勝負のオリンピックでは強烈なインプレッションを与えることができなかったのかもしれません。環境というコンセプトも,欧州ではそれほど強いインパクトを与えるものではないですし,これまた意外なのですが日本はものすごい環境技術が進んでいる凄い国というイメージがあるのです(日本ではヨーロッパが環境先進地域のような印象がありますが)。それを訴えても,そりゃそうだろうな,日本でやるのだからという感じなのかもしれません。

名古屋,大阪,そして東京と三連敗してしまった日本のオリンピック誘致。私が生きている間には,もう無理かもしれませんね。私個人としては,閉塞感が漂う日本社会では,このようなイベントで一致団結してムードを変えるということも大事だとは思うのですが。

江戸時代に倹約が叫ばれていたときも,その分お祭りだけは派手にやることでガス抜きをしたと言いますし。
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