やはり自民党敗北の要因は… [マーケティング]
以前このブログで,自民党敗北の原因の1つとして,行きすぎたネガティブキャンペーンがあったのではないかと指摘しました(記事はここ)
この記事は久々に飛び抜けた数のアクセスをいただいたのですが,あの記事を裏付けるような調査結果が出てきました。
【産経新聞:自民敗北原因は「あのCM」だった? 】
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090923/elc0909230719000-n1.htm
あのCMを見た有権者の反応は,私が思っていた以上でした。CMの狙い通り民主党に悪印象をもったのはわずか4.6%。これに対して作った側,つまり自民党に対して逆に悪印象がなんと6割という悲惨な結果です。
もし民間企業でこのような広告を作ったら,担当者はもちろんのこと代理店も大きなペナルティを負うことになるでしょう。担当者は降格,代理店は当分出入り禁止です。
記事はこのように結んでいます。
「だからといって、自民党の選挙戦略に代替案があったかどうかといわれると難しい。「ひたすら土下座」で同情を買うという戦略しかなかったなどといえば、あまりにさびしい話になってしまう。」
本当にそうでしょうか。相手を説得したり,何かを説明するときに,私たちは「理由」を使います。その理由には「消極的理由」と「積極的理由」の2つがあります。例えばAとBという2つの代替案があり,説明者はAを推したいとします。そのとき,AとBの問題点を挙げていき,Bの問題点が多いからAを選びましょうという方法が消極的理由を用いた説得です。今回自民党が使った方法はこれに近いと思われます。
しかしよく考えればわかるのですが,消極的理由をいくら増やしてもじつは説得力はそれほど増しません。必ず積極的理由,つまりAを選ぶ理由もきちんと付け加えないとダメなのです。逆に積極的理由だけでもダメです。バランスが大切なわけです。
テクニックとしては消極的理由を先に挙げて,積極的な理由を最後に持ってくると印象はよいようです(あくまでも経験的ですが)。例えば,
この道路は新しい産業を育成する可能性があります。しかし作らなければ交通渋滞が解消できません。もちろん「排ガス」や「建設費の増大」といった問題が懸念されますが。
この道路を造ると確かに「排ガス」や「建設費増大」といった問題が生じます。しかしこの道路を造らなければ交通渋滞が解消できません。さらにこの道路は,周辺の新しい産業の育成に大きく貢献するわけです。
だと,おそらく後者の方が説得力は増します(ただ責任逃れのためには,前者のような「危険性」や「例外」をたくさんあとから付け加えた方が安全なのですが)。
話をもとに戻しますが,前回の記事でも書いたように,ネガティブキャンペーンをする一方で,その問題点に対して私たちはこんな回答を持っていますという,丁寧な説明という方法を付け加える。こんな対応策はあったと思います。ネガティブキャンペーンか土下座かの選択ではなかったように思います。
この記事は久々に飛び抜けた数のアクセスをいただいたのですが,あの記事を裏付けるような調査結果が出てきました。
【産経新聞:自民敗北原因は「あのCM」だった? 】
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090923/elc0909230719000-n1.htm
あのCMを見た有権者の反応は,私が思っていた以上でした。CMの狙い通り民主党に悪印象をもったのはわずか4.6%。これに対して作った側,つまり自民党に対して逆に悪印象がなんと6割という悲惨な結果です。
もし民間企業でこのような広告を作ったら,担当者はもちろんのこと代理店も大きなペナルティを負うことになるでしょう。担当者は降格,代理店は当分出入り禁止です。
記事はこのように結んでいます。
「だからといって、自民党の選挙戦略に代替案があったかどうかといわれると難しい。「ひたすら土下座」で同情を買うという戦略しかなかったなどといえば、あまりにさびしい話になってしまう。」
本当にそうでしょうか。相手を説得したり,何かを説明するときに,私たちは「理由」を使います。その理由には「消極的理由」と「積極的理由」の2つがあります。例えばAとBという2つの代替案があり,説明者はAを推したいとします。そのとき,AとBの問題点を挙げていき,Bの問題点が多いからAを選びましょうという方法が消極的理由を用いた説得です。今回自民党が使った方法はこれに近いと思われます。
しかしよく考えればわかるのですが,消極的理由をいくら増やしてもじつは説得力はそれほど増しません。必ず積極的理由,つまりAを選ぶ理由もきちんと付け加えないとダメなのです。逆に積極的理由だけでもダメです。バランスが大切なわけです。
テクニックとしては消極的理由を先に挙げて,積極的な理由を最後に持ってくると印象はよいようです(あくまでも経験的ですが)。例えば,
この道路は新しい産業を育成する可能性があります。しかし作らなければ交通渋滞が解消できません。もちろん「排ガス」や「建設費の増大」といった問題が懸念されますが。
この道路を造ると確かに「排ガス」や「建設費増大」といった問題が生じます。しかしこの道路を造らなければ交通渋滞が解消できません。さらにこの道路は,周辺の新しい産業の育成に大きく貢献するわけです。
だと,おそらく後者の方が説得力は増します(ただ責任逃れのためには,前者のような「危険性」や「例外」をたくさんあとから付け加えた方が安全なのですが)。
話をもとに戻しますが,前回の記事でも書いたように,ネガティブキャンペーンをする一方で,その問題点に対して私たちはこんな回答を持っていますという,丁寧な説明という方法を付け加える。こんな対応策はあったと思います。ネガティブキャンペーンか土下座かの選択ではなかったように思います。
ディベートの達人が教える説得する技術 ~なぜか主張が通る人の技術と習慣~
- 作者: 太田 龍樹
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2006/05/20
- メディア: 単行本
コメント 0