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「原則廃止」 [マーケティング]

新しい政権がスタートしました。

早速新大臣からつぎつぎに方針が打ち出されていますが,テレビでお馴染みの原口総務大臣がこんな方針を打ち出しました。
【日経新聞:国の出先機関「原則廃止」 総務相が方針】
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090917AT3S1701417092009.html

国と地方の二重行政をやめるため,国の出先機関を原則廃止にするという意向です。

このニュースをみてふと思ったのですが,日本はこの「原則」何々というのが好きです。そしてもっと大好きなのが,それに続く「ただし××の場合は」という条件。

普通これだけをみると,原則が主で「ただし」が例外なのですが,政治に限らず日本ではどうも「ただし」が主になっているケースが非常に多い気がしませんか?

例えば金融機関のサービス。ローンを組むときになど,こちらとしては今の自分なら一体いくら借りれるの?ということが知りたいのに,延々と「ただし」に関する説明があります。
またこちらに来るとき,某引っ越し大手の海外引っ越しサービスの見積もりをお願いしたのですが,訪ねてきた営業マンがまさにこれ。延々と「この場合は」「ただし」の連続。それも含めて見積もりはいくらなんだと聞いているんでしょう,と最後はキレてしまいました。

サービスを提供する側からすれば,あとからクレームを受けるのも嫌なのでしょうし,とにかく問題が起きないように予防線を張りたいのでしょう。しかしこれをやるとせっかくのサービスの威力が台無しです。何よりも完全な売り手発想のマーケティングです。

最近それが顕著に見えるのが,インターネット接続業者のキャンペーンです。光ケーブルへの切り替えを促進させようと,どこの業者も割引や無料キャンペーンを売っています。私が契約しているこのソネットも,ストーカーかと思うぐらい携帯電話に営業電話です(ホントいい加減にしてね)。

それはさておき,彼らはそうして魅力的な価格を打ち出しているのですが,しかし私は切り替えをしていません(ADSLのまま)。切り替えたくないわけではありません。ちょくちょく各社のサイトを見ながら検討はしているのですが,とにかく「ただし」「〜の場合」が多くてわかりづらい。最後はもう検討する気もなくなります。

せっかくキャンペーンを打つのであれば,「ただし」はよほどのケース以外はつけるべきではないと思います。「今契約すれば3ヶ月無料。ただし解約した場合は正規料金」ぐらいにしないと,キャンペーンの効果などはなくなります。「原則」と打ち出す場合は,99%は原則通り。「ただし」や「場合によって」はめったにないケースにしないと意味がないと思います。

国の規制緩和も同じ。規制緩和の効果を出したければ,この例外をほとんど作らないことがポイントだと私は考えます。マーケティングと同じく,施策の効果は理屈ではなく人々の感情に左右されるのですから。



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