高速道路の無料化

彼方を立てればこちらが立たぬ。すべて丸く収まる方策など，世の中にはありはしないのでしょうが。

民主党の目玉政策の一つである高速道路の無料化問題。ちょっと意外なところから反対の声が上がっています。

【日経新聞：九州バス協「高速無料化見送りを」　国交省に要望書】
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090910AT3S1001M10092009.html

たぶん国交省にすれば「私どもに言われましても…」という気分でしょうが。
それはさておき，バス会社の言い分としては値下げだけでも２０％の利用者が減少したのに，無料化されるとたまらんということのようです。

記事の内容だけでは，具体的にどのタイプのバス事業に影響がでているのかは不明です。ただお盆の利用客数の話を出しているので，長距離バスなのでしょうか。果たして高速道路が無料化したからといって，これまで長距離バスで帰省していた人がそんなにマイカーに変えるものなのでしょうか？

危惧されている交通量の増加も含めて，短期的には影響がでると思いますが，多くの国民はそんなアホではありません。タダだからといって渋滞がひどい高速道路にあえて突入し続ける人が主流になるとは私は思わないのですが。

確かにバス会社の経営は厳しいと思います。しかし環境の変化は，自分たちを変えるチャンスでもあります。単独で生き残りが厳しいのであれば，これをよい機会と捉えて自己変革を図ることも大切です。今のバス会社のやり方をみていると，どう考えても短期的に凌ぐことはできても，長期的に生き残ることができるとは思えません。

「凌ぐ」ことと「生き残る」ことは別です。本気で生き残りを考えるのであれば，これを機会ととらえて新しいサービスや経営手法を考えることも大切だと思います。