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関西独立リーグ問題 [ビジネスモデル]

やることがすべて裏目に出てしまっています。

女子高校生投手の加入で話題となった関西独立リーグ。しかし存続の危機に直面しています。

運営会社の無責任な撤退後、なんとか新体制で再スタートを切ったのですが、今度は人気球団「神戸9クルーズ」内部での対立。スポンサー獲得のために「営業活動」への協力を依頼する経営サイドに対して、野球選手として練習を優先させる方針からこの要請に非協力的であった現場サイドが対立。ついには監督の解任という事態にまで発展しました。

【産経関西:関西独立リーグ 神戸・中田監督を解任 方針対立、球団社長「苦渋の決断」】
http://www.sankei-kansai.com/2009/07/29/20090729-012838.php

これにより球団経営サイド主導で意思統一が図れたのかと思いきや,今度は肝心の営業活動の目玉である選手が“離脱”してしまいました。

【朝日新聞:ナックル姫・吉田えり投手休養へ 監督解任にショック】
http://www.asahi.com/sports/update/0730/OSK200907300062.html

監督解任については、どちらの言い分も正しいと思うので何とも言えないのですが,少なくとも運営会社の撤退後,彼らに明確なビジネスモデルがあったとは言い難く,遅かれ早かれこのような結果になるのは当然だったのかもしれません。

地域密着による生き残りと簡単に言いますが,実践することは容易ではありません。例えばモデルケースのように言われるJリーグですが,地元に密着はしていますがスポンサーなど資金面では必ずしも地元だけに「密着」しているわけではありません。全国規模で出資を募り,なんとかクラブ運営を可能にしています。また地元密着にしても,広く薄く協力を募る仕組みを各球団が整えているわけです。

さらにサッカーでは,経営基盤が弱いチームは,有望な若手選手を安い年俸で獲得して,それを鍛え上げて活躍させ,価値が高まったところで強豪球団に「売却」。その差額でまた有望選手を獲得するというビジネスモデルが一般化しています。強豪球団はカネで選手をかき集めると批判が集まりますが,少なくともサッカー業界全体ではうまく資金が回る「仕組み」ができています。

さて関西独立リーグですが,果たしてどのようなビジネスモデルでこのリーグを存続させようとするのか。その方針をしっかり立てないと,また同じような混乱が続き1年持たずに崩壊してしまうように思います。理念だけでは飯は食えないのですから。


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