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北大が「総合入試」導入へ [大学マーケティング・シリーズ]

少子化にともない,大学教育や入試制度に変化が起きていますが,国立大学法人でも改革がはじまっています。

【日経新聞:北大、入試は「文系」と「理系」 11年から、学部別と並行実施】
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090715STXKC037814072009.html

 北海道大(佐伯浩学長)は14日、学部より大きな「文系」「理系」のくくりで学生を募集する「総合入試」を、2011年から導入すると発表した。入学後1年間勉強した後に学部を選択させることで、学生のミスマッチを減らすのが目的。従来の学部別入試と並行して実施する。
 
 かつての教養学部,最近ではリベラル・アーツ教育などという言葉が使われていますが,広く浅く知識を身につけたあとで,専門過程に進む(リベラル・アーツ教育では4年間そのままの場合もありますが)というシステムが,日本でも広がってきています。

 確かに大学入試の段階では,多くの高校生が経営学と経済学の違いなどわかっていません。自分が何を学びたいか(学ぶべきか)も。それを1年なり2年なり関連分野を広く浅く学ばせることで,よりよい進路選択をさせるという考え方は悪くないと思います。

 企業の方でも、大卒に対して専門性を求めていないのが現状です。それよりもいわゆる基礎的な素養を身につけておいて欲しいというニーズの方が強いわけですから,最初から専門ごとに振り分ける=学部ごとの入試でなくてもよいのかもしれません。

 また教育だけでなく研究の面からも,この総合化の流れは歓迎できます。近年の学問は,複数の専門領域にまたがる「学際化」が進んでいます。その流れからしても,総合教育だけでなく,総合研究の体制作りも必要だと言えます

 それにしても,大学教育だけでなく企業でも少し前までは「スペシャリスト」志向が強かったのですが,また最近は「ゼネラリスト」ブームです。専門性ばかり追求した結果として部門ごとの個別最適ばかりが進んでしまったからかもしれません。何事もそうですが,一つの方向にみんなが集まりすぎるのは駄目です。ゼネラリストとスペシャリスト,両方を育ている仕組みを併存させないと。



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