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Amazonのカスタマーレビューで [ユーザーイノベーション]

非常に興味深いニュースです。
ネット書店Amazonの書評である「カスタマーレビュー」を巡って,批評される作者とAmazonでちょっとしたトラブルになっているというものです。

【朝日新聞 アマゾン、消された書評 著者・水村さん「公正さ疑う」】 
http://www.asahi.com/shopping/news/TKY200902160432.html

著者である作家の言によれば,その作品に好意的なレビューが6つも突然削除されたとのこと。それも基準があいまいで,外部からの意見で簡単にレビューを削除しているのではなないかと,作者は疑問を呈しています。

この事件そのものの結末にも注目したいのですが,それ以上にこのカスタマーレビューが「公共」的な存在になってきている点が興味深いです。よく考えてみれば,Amazonは一民間企業です。その企業が自分たちの事業の販売促進策に過ぎない「カスタマーレビュー」をどのように扱おうと,それは基本的に自由なはず。

しかし一方で,私も含めこのAmazonのやり方になんとなく違和感を覚える人は少なくないはずです。おそらくそれは,このカスタマーレビューの情報が一企業の単なる販促ツールを超え,多くの人々にとっての公共財となってきているからではないでしょうか。それだけに例えばそのツールの提供者であっても,その内容を自由に扱うことは許さないという機運が出てきてしまうのかもしれません。これは2ちゃんねるをはじめとするネット掲示板や,OKwaveやはてなといった問題解決サイトなどでも同じなのかもしれません。


このように自社のサービスが「公共化」すること。これがその企業にとって望ましいことなのか,よくないことなのか,非常に微妙なところです。


「みんなの意見」は案外正しい

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  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/01/31
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「多様な意見」はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき

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  • 発売日: 2009/01/22
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