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世界基準と文化 [ビジネス一般]

昨日のお話の続きかもしれません。

昨年東京版が発行されて大きな話題となったレストランガイドブック「ミシュラン」。

MICHELIN GUIDE東京 2008 (2008)

MICHELIN GUIDE東京 2008 (2008)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本ミシュランタイヤ
  • 発売日: 2007/11/22
  • メディア: 単行本



このミシュランが,京都版を密かに作成しているようなのですが,どうやら行き詰まっているようです。原因は老舗料亭からの掲載拒否とのこと。
【朝日新聞 京料理「星お断り」 ミシュラン掲載に拒否や保留相次ぐ】
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200809170050.html



掲載拒否をしているお店の言い分としては,「京料理とは料理だけではなく,それを提供する環境(店構え,サービス,装飾など)や文化も含んで初めて完成するものである。それらを調査員が勉強しているとは思えない」とのことのようです。

これに対して,記事の中ではいくつかの見解が述べられていますが,大別すると料亭側の主張を支持するものと,そうは言ってもこれからの時代,日本料理も「世界基準」で勝負しなくてはいけないのだから,拒否するのもいかがなものか,という2つの意見です。

どちらもなるほどと思わせる意見なのですが,私は料亭側の主張を支持したいと思います。これまで繰り返しているように,そもそも「世界基準」とはなんぞやということ。フランスのタイヤメーカーが定めた尺度が、世界基準と言えるのでしょうか。

また飲食店経営に重大な影響を与えるというミシュラン。このスコア(星の数)を上げるために=世界基準に合わせようとするために,肝心の日本文化,京料理の伝統を失っていったら,最終的には京料理,日本料理は世界市場で競争力を失うことになるでしょう。文化の背景を失って,欧米基準で戦うとなると,欧米企業(西洋料理)に勝てるわけがないですから。

一時期,デファクトスタンダードという言葉がはやりましたが,この議論の大切なことは,基準にどれだけ早く合わせるかではなく,いかにして基準を確立するか=自分が世界の基準になるか,なわけです。不利な土俵にみすみす乗っていくぐらいなら,とことん突っ張るのも立派な戦略です(そのために家庭用ビデオにおけるソニーや,次世代DVDにおける東芝はどえらい目にあっていますが)。


デファクト・スタンダードの本質―技術覇権競争の新展開

デファクト・スタンダードの本質―技術覇権競争の新展開

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



デファクト・スタンダードの経営戦略―規格競争でどう利益を上げるか (中公新書)

デファクト・スタンダードの経営戦略―規格競争でどう利益を上げるか (中公新書)

  • 作者: 山田 英夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 新書



プロジェクトX挑戦者たち 1 (1) (幻冬舎文庫 え 7-1)

プロジェクトX挑戦者たち 1 (1) (幻冬舎文庫 え 7-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 文庫



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