日本も国際会計基準導入へ [ビジネス一般]
企業会計の国際化に対応するべく,経団連や金融庁が2011年度以降に「国際会計基準」を導入する検討に入ったそうです。
【日本経済新聞】 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080904AT2C0300G03092008.html
私は会計の専門家ではありませんので詳しいことはわかりませんが,資産の時価評価を徹底していることが特徴のようです。先日,世界がどう言おうと自分たちのやり方を貫くあのアメリカがこの基準を導入する方針を固めていましたから,これで本当に「国際基準」となることが間違いなさそうです。
この会計基準は,欧州を中心に導入が進められてきたものなのですが,これだけでなく最近重要なルールづくりに欧州諸国の力が強まっています。例えば国際的な標準規格を決めるISOも,欧州の主導によって広がりを見せましたし,最近は環境問題に関するルール作り(例えば排出権取引など)もEUを中心とした欧州諸国がリーダーシップを発揮しています。
これまで世界のルールは良い悪いは別にして,アメリカによって決められることが多かったと思います。しかし対テロ戦争やサブプライム問題によって,アメリカは政治的にも,経済的にもその力を大きく落としてきています。それにとって変わるように,EUのプレゼンスは一気に高まっています。通貨でもユーロが独り勝ちのような状態です。
かつて私が社会人大学院に通っていた1999年頃,ゲスト講師として登壇された国際マーケティングで有名な小田部先生がこんな話をされていました。,「国の力や地位は10年単位でコロコロ変わるもの。確かにアメリカは今絶好調だが,10年後には別の国が天下を取っているよ。だからアメリカ方式が絶対ではないということをわかっていないと」。
当時の日本はいわゆる「失われた10年」の真っ只中で,企業も国民もすっかり自信を無くしていた時期で,グローバルスタンダードという大義を掲げるアメリカの方式を,なんでもかんでも正しいと受け入れていた時期です。そのため私たちは「そうは言ってもしばらくはアメリカの天下は続くよな」と言っていたものです。
10年たった今,確かに時代の流れは欧州,そしてアラブ諸国へと移ってきています。小田部先生のお話を改めて思い出しました。
日本もかつては「いけている」時期がありました。しかしアメリカや今の欧州と決定的に異なる点は,その好調期にルールや仕組みを世界にビルトインできなかったこと(そういう努力をしなかったこと)ではないでしょうか。人が作った土俵で戦うのと,自分たちが作った土俵で戦うのとでは当然,後者の方が有利なわけです。やはり「戦略」が必要なわけです。
この状況では,いつやってくるかわかりませんが,次の「いけている」時期にこそ,日本は戦略的に行動しなくてはいけません。
【日本経済新聞】 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080904AT2C0300G03092008.html
私は会計の専門家ではありませんので詳しいことはわかりませんが,資産の時価評価を徹底していることが特徴のようです。先日,世界がどう言おうと自分たちのやり方を貫くあのアメリカがこの基準を導入する方針を固めていましたから,これで本当に「国際基準」となることが間違いなさそうです。
この会計基準は,欧州を中心に導入が進められてきたものなのですが,これだけでなく最近重要なルールづくりに欧州諸国の力が強まっています。例えば国際的な標準規格を決めるISOも,欧州の主導によって広がりを見せましたし,最近は環境問題に関するルール作り(例えば排出権取引など)もEUを中心とした欧州諸国がリーダーシップを発揮しています。
これまで世界のルールは良い悪いは別にして,アメリカによって決められることが多かったと思います。しかし対テロ戦争やサブプライム問題によって,アメリカは政治的にも,経済的にもその力を大きく落としてきています。それにとって変わるように,EUのプレゼンスは一気に高まっています。通貨でもユーロが独り勝ちのような状態です。
かつて私が社会人大学院に通っていた1999年頃,ゲスト講師として登壇された国際マーケティングで有名な小田部先生がこんな話をされていました。,「国の力や地位は10年単位でコロコロ変わるもの。確かにアメリカは今絶好調だが,10年後には別の国が天下を取っているよ。だからアメリカ方式が絶対ではないということをわかっていないと」。
当時の日本はいわゆる「失われた10年」の真っ只中で,企業も国民もすっかり自信を無くしていた時期で,グローバルスタンダードという大義を掲げるアメリカの方式を,なんでもかんでも正しいと受け入れていた時期です。そのため私たちは「そうは言ってもしばらくはアメリカの天下は続くよな」と言っていたものです。
10年たった今,確かに時代の流れは欧州,そしてアラブ諸国へと移ってきています。小田部先生のお話を改めて思い出しました。
日本もかつては「いけている」時期がありました。しかしアメリカや今の欧州と決定的に異なる点は,その好調期にルールや仕組みを世界にビルトインできなかったこと(そういう努力をしなかったこと)ではないでしょうか。人が作った土俵で戦うのと,自分たちが作った土俵で戦うのとでは当然,後者の方が有利なわけです。やはり「戦略」が必要なわけです。
この状況では,いつやってくるかわかりませんが,次の「いけている」時期にこそ,日本は戦略的に行動しなくてはいけません。
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