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早慶が新戦略 大学も関係性と価格 [大学マーケティング・シリーズ]

大学の学生獲得競争が激化していますが,日本を代表する私立大学が,それぞれ新しい戦略を打ち出しました。リレーションシップマーケティングと価格破壊です。まず早稲田大学。大学直系の附属中学校を新設するそうです。
【ZAKZAK】 http://www.zakzak.co.jp/top/2008_03/t2008032203_all.html

これまで中学校を持っていなかったことは意外でしたが,天下の早稲田も優秀な学生確保のためには,ここまで乗り出すということでしょうか。

すでに慶応大学は小学校から大学までの一貫教育体制を確立していますし,関西でも関西学院大学が初等部を近く開学し,同じような体制を整えます。他の大学も川下への進出は今後も続いていくでしょうし,場合によっては幼稚園からの囲い込みが始まるかもしれません。まさにリレーションシップマーケティングの時代に突入です。

そうなると選抜試験は事実上,入り口となる幼稚園や小学校だけとなってしましますが,大学にとっても,そして学生本人にとっても果たしてそれがよいことなのか。議論が分かれるところかと思います。嘘か誠かわかりませんが,どの大学でも内部進学者は一般受験者よりも色々な面で劣っているとも言われていますし。

企業と顧客は,つねに緊張感を持つことが大切です。それがよりよいサービスや商品を生み出すことにもなりますし,満足度や利益を生み出す源泉にもなります。ただお客様を囲い込んでおけばよい,という発想では早晩,この戦略は破綻するかもしません。

一方,早稲田大学のライバルである慶応大学は,学費体系の抜本的な見直しに着手するというニュースです。
【産経新聞】http://sankei.jp.msn.com/life/education/080321/edc0803212159004-n1.htm

骨子としては入学金を全廃する代わりに,授業料や施設設備費などの学費をアップ。さらに,在籍基本料を創設し,留学や休学の際にはこれだけを支払えば在学し続けることができるという制度に移行しようというものです。

確かに入学金という制度は,その意味合いが今ひとつわかりにくいことや,入学時点での金銭負担が非常に大きくなってしまうことから,色々と批判や見直し要請がありました。私学の雄である慶応大学がこのような制度改革に乗り出したことで,他の大学にも波及することは十分予想されます。

学費に関しては,東京大学や東京工業大学が授業料の全廃を打ち出すなど,有力大学を中心に「価格破壊」が始まりつつあります。大学もマーケティングが必要な時代になってきたわけですから,マーケティング活動の重要な要素である価格戦略の見直しは,むしろ当然のことでしょう。

ただ一方で,価格に頼るマーケティングは大半が失敗します。マーケティングはあくまでも「ミックス」で考えなくてはいけません。いたずらに価格競争,価格破壊に乗っかるだけでは潰れてしまいます。
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