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情報の裏を読む ~日銀総裁人事報道より [研究]

昨日は出張先から移動でバタバタしており,更新をサボってしまいました。

さてビジネスの世界でも研究の世界でも,情報は大切です。しかし情報を正しく読み解くことはそれほど簡単ではありません。私の師匠がよく使っている例ですが,芥川龍之介の「藪の中」は,まさにこの情報を読み解く難しさを表しています。

ご存じの方も多いと思いますが,『藪の中』とはこんなお話です。

藪の中で起こったある男性の殺人事件について,第1発見者や男の妻,男の霊(もちろん巫女さん経由ですが),盗人など,いろいろな人が事件について証言するのですが,結論(男の死因)は食い違っているのです。そしてどの証言ももっともらしいため,結局犯人が誰か(もしくは自殺なのか)はわからずじまいというものです。

まだ見ていないのでわかりませんが,コマーシャルを見る限りでは「バンテージポイント」という映画も,この『藪の中』と同じような感じなのかもしれません。
【バンテージポイント オフィシャルサイト】 http://www.sonypictures.jp/movies/vantagepoint/
要するに情報にはいろいろなフィルターがかかっており,それを通過してきた情報は必ずしも正しい事実を語っているわけではないということです。行間から,いろいろと読み解いていく作業が必要ということになります。

前振りが長くなりましたが,この観点でいくと今回の日銀総裁人事を巡る報道ですが,どうもマスコミは民主党批判一色です。各社の社説はこんな感じです。
【朝日新聞】http://www.asahi.com/paper/editorial20080313.html#syasetu1
【読売新聞】http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080312-OYT1T00733.htm
【日経新聞】http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20080311AS1K1100511032008.html
【毎日新聞】http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080313ddm005070109000c.html

ここまで論調が一方向に固まるのも珍しいなというぐらいです。テレビの論調も似たようなものです。

そうなると多くの読者や視聴者は,「民主党けしからん」「人事を政争の具にしよって」「代案を出せ」という考えを持つようになることも,ある意味しかたないかもしれません(政争の具という言葉がまるで流行語のようです)。

ただ私は先に挙げた,フィルターを通った情報についてはできるだけ疑うようにしていますので,どうもこの論調には「裏」があるように思えてなりません。少なくとも上記の4誌の社説は,論法が明らかにおかしいところもありますし。

その裏とは? 私の考えは月曜日にまたお話したいと思います。

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