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時間の大切さ: 優先順位と捨てる勇気 [研究]

金曜日は更新ができませんでした。じつは金曜日から日曜日まで,学会で九州に行っていました。経営関係の学会なのですが,トヨタの自動車工場見学もすることができ,非常に有意義でした。工場見学の話はまたの機会にさせていただくとして,今日は学会で感じたタイムマネジメントの重要性について少しだけ。

多くの発表を見ていて感じたのですが,どうも日本の研究者はプレゼンテーションのタイムマネジメントが上手くないようです。多くの発表は30分の研究報告+10分間の議論なのですが,中にはディスカッションの時間が1分程度しかないような発表もありました。

学会発表の目的は,自分の研究を他の人たちに認識してもらうと同時に,研究をさらに進めるために,他の研究者からのコメントを頂くというでもあります。自分だけ,もしくは師匠など自分と関係が深い人とだけ議論をしていると,どうしても考え方が偏ってしまいます。

そのようなとき,まったく違う分野の人や大学の研究者に自分の研究を聞いてもらうと,ハッとするような意見をもらえる場合があります。研究発表では痛い目に合わされるので,多くの人は嫌なのだと思うのですが,それでも発表するのはそのような素晴らしい経験が一方でできるからです。自分の発表で大半の時間を費やしてしまう人は,この重要なお土産をもらうことなく,帰ることになります。

さらに言えば,長い発表,とくに終了のベルが鳴らされても終了せず,今まで以上に早口でなんとか準備してきたことを言い切ろうとしてしまうことは,聞いている人たちには苦痛以外の何者でもありません。第1の目的である自分の研究のプロモーションにも寄与しないことになります。

覚えている方もいらっしゃると思いますが,私は6月にデンマークで開催された国際ワークショップで発表させていただく機会を得ました。その際,たくさんの海外の研究者の発表を聞きましたが,皆さん時間通りにきっちりと収めてきます。

"Thank you!"や "That's all"と言った締めの言葉を言った瞬間に,終了のベルが鳴るという発表者も1人や2人ではありません。それもわずか5分の間に,この1年間取り組んできた研究をすべて織り込んでいるのです。もちろん,私もそうしました(私は緊張のあまり早口になり,15秒ほど時間を残してしまいましたが)。

時間内にプレゼンテーションを収めるには,一に練習,二に練習です。とにかくリハーサルを何度もやるしかありません。

ただそれはテクニック上の問題で,もっと大切なことは発表したいことに優先順位をきちんとつけることができるかではないかと思っています。一生懸命にがんばった研究です。1年に1回あるかどうかわからない発表の場面です。全部言いたい気持ちはわかります。しかし,時間は限られているわけですから,重要なことから順番に時間を使い,足りない部分は捨てるしかありません。

この優先順位をつける能力は,大切なことが何かを発見,整理する能力とも通じるものがあるように思います。大切なものは何かをよく考え,重要でないものを捨てる勇気を持つことの大切さ。他の研究者の発表を聞きながら,改めて自戒の念を新たにしました。


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