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1日7万円がなぜおかしい? [ビジネス一般]

地球温暖化対策に関する政府の広告関連費用が高すぎるという批判が起きています。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/33158.html

批判の対象は業務を統括する「プロジェクトリーダー」の人件費が、一日当たり七万六千三百円である点と,代理店のフロアー経費が事実上政府が支払っている点のようです。

後者は問題外ですが,前者については議論すべき点です。 肝心の業務内容がわからないのでなんとも言えないのですが,元コンサルタントとすると日当7万円強というのは妥当な線で,むしろ安いかもしれません。例えば大手コンサルのリーダークラスになると一桁違ってきますから。

日本は未だに「知」に対してお金を払うことができません。必ず「工数」や「人日」という発想を入れてきます。つまり何日稼働したから,何時間働いたからという計算です。これは肉体労働に対する計算方法であり,知識創造への対価計算としては妥当ではありません。

知識はプロジェクト会議のときだけに生み出されるのではありません。担当者は家に帰っても,時には寝ている時にも色々考えているわけです。現場に行かないと絶対に仕事ができない工場や建築現場,営業とは違います。つまり何時間働いたということはあまり意味がないわけです。

繰り返しますが,今回の契約が妥当であったかどうかは知りません。ただ仕事の内容を十分吟味せずに,ただ日当が7万を超えている,時給にすると1万円だ2万円だという馬鹿げた議論はやめるべきだと言いたいのです。知識に対する正当な報酬体系ができなければ,当然知識や情報を売り物にする産業は拡大しません。知識や情報,そしてサービスも必ず対価がともなうのです。


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コメント 3

NO NAME

[知識創造への対価計算]についてのご意見は、大変参考になりました。
私も常日頃、企画・開発やデザインに感する仕事をしているので、「稼動時間」から金額を計算することができないことがほとんどです。
しかしながら、クライアントの多くは[稼働時間]を基準に「高い!」とか「安い!」などの声が・・・・・。
本当は実際に作業した時間よりも、考案している時間が70%以上を占める案件であるにもかかわらず・・・・です。
日々、このようなことで歯がゆさを感じていた私には、先生のようなご意見は心強いです。
by NO NAME (2007-06-21 17:57) 

こういち

無記名でした・・・すみません。
コメント1は私です。
by こういち (2007-06-21 17:59) 

ドクター

こういちさん。いつもありがとうございます。

私も前職時代に,クライアントから同じように言われました。稼働時間が短いのに高すぎる。そんなときよくこんな事を言っていました。

「あんたね。床屋さんで『カットの時間が短すぎるからまけてくれ』っていいますか? 時間より仕上がりでしょ? 文句があったら他の床屋にいきなはれ」

まあいわゆる逆ギレですが(笑)。
by ドクター (2007-06-22 00:39) 

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