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衝撃! プレステ生みの親が退任 [MOT]

ソニーのゲーム事業を作り上げた久多良木氏が退任することになりました。

朝日新聞 http://www.asahi.com/business/update/0427/TKY200704260376.html
日経新聞 http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/tegakari.cfm?genre=c5&id=c1d260c626&date=20070427

一時はソニー本体の副社長として,次期社長候補の筆頭とまで言われていました。若い人が活躍するソニーとはいえ,久多良木氏はまだ56歳。十分戦える年齢だと思うのですが,どうしてなのでしょう。

詳しい情報は,もう少し時間がたたないとわからないと思いますが,私が思うに先日お話した技術者のモチベーションの難しさが1つの理由ではないでしょうか。

任天堂ファミコンによる市場独占を破り,ソニーのみならずゲーム市場をここまで拡大したのは久多良木さんの功績が少なくありません。しかしここ数年は,プレステ3開発を巡る迷走で苦境に立たされていました。
出井革命の頓挫により,技術志向への揺り戻しが起き,その旗頭として久多良木さんが期待されていましたが,結局,ソニーの技術回帰は起きていません。むしろ技術屋にとっては許せないことが多かったようです。

例えばプレステ3に搭載され,ソニーグループ全体にとっても戦略的な意味を持つ「ブルーレイディスク」。この基幹システムに不具合が生じて,プレステ3は開発・発売が大幅に遅れたと言われています。さらにその不具合の原因を特定するだけで相当の時間を要しただけでなく,その原因が極めて初歩的なものであったとも言われています。つまりモノづくりの技術がそこまで低下してしまったということなのです。

久多良木さんはこの件に,烈火の如く怒ったと同時に,かなり失望したと伝えられています。マーケティング系が牛耳るようになったソニーが,そこまで技術に対しての目配りができなくなったのかと。技術者の王国だったからこそ選んだソニーがこのようになってしまうと,技術系が去っていくことは当然とも言えます。

技術への理解と同時に,技術を育てることができる経営者の存在。日本のものづくりの復活はここにあるように思えてなりません。そのためにはアメリカ型の短期的な利益追求ではなく,もっと長期的な成長戦略を描くとともに,技術と事務系の襷掛け人事など,一見すると非合理のように思える旧来のやり方が意外とよい成果を生み出すのかもしれません。

ソニーという会社を理解するには,これぐらいしっかり読んでおかないとダメだと思います。

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